研究課題/領域番号 |
01602043
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京女子大学 |
研究代表者 |
外村 泰子 東京女子大学, 文理学部, 助手 (40138821)
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研究分担者 |
岸 政美 北海道工業大学, 教養部, 講師 (50153078)
鈴木 勝裕 北海道工業大学, 工学部, 教授 (10048035)
島 利雄 北海道工業大学, 教養部, 教授 (90128827)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1989年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | マイクロ波 / キイロショウジョウバエ / 熱ショック遺伝子 / 唾腺染色体 / パフ / 電気泳動法 / 通電実験 / 磁場の影響 |
研究概要 |
(1)マイクロ波照射における熱ショック遺伝子の実験は、2.45GH_Z・200W,500Wの家庭用電子レンジで30秒区、60秒区の実験区をつくり、キイロショウジョウバエの野性型に被曝させ第3令後期幼虫の唾腺染色体上のパフ誘発の分析から行われた。Ashburner(1970)によって記載されてきた熱ショック遺伝子によるパフ化の一部すなわち第3染色体左腕のものが同一とみなされた。一方X染色体で110時間の幼虫に30秒区で500W照射した際基部近傍15BCに大きなパフ化を発見した。Zhimulev(1973)は115時間目の幼虫期のみのX染色体に上述部位と同一なパフを観察していることから、マイクロ液で被曝された幼虫はその発生過程が先へと誘導されるものと推定される。(2)熱ショックの影響如何を分子量7400K近傍のタンパク質バンドの存在すなわち電気泳動法からも分析された。由良(1981)は大腸菌で同部位のタンパク質バンドは熱効果で増加することを述べているが我々の結果は減少する事実を示した。(1)(2)からマイクロ波自体には“ヒート"プラス“α"の要因を含んでいることを示唆している。また設備備品のマグネチックスターラーやオートクレーブの設置により餌の完全滅菌、液の溶解度の均一性がよく実験経過が良好となった。(3)照射区の熱エネルギーに関する通電実験から、生体にマイクロ液を照射する際にヒート以外のプラス“α"の影響を確かめるためには出力の弱い電力でしかも非常に短時間での被曝から把握できるという結論が提示された。(4)現在問題化されている磁場については阪大・理学部物理学教室の装置を用いて予備実験を行った。体細胞突然変異は藤川ら(1984)の方法に従い、蛹化1日以内の16時間,1テスラ曝磁のものに5%レベルで変異原性がpositiveな結果を得た。また対照区を装置のある部屋に据えたことにより奇形翅の出現翅脉欠失などの奇形バエが生じた。磁場によった影響の大きさについてはマイクロ波の実験とは別に今後の課題として探究したい。
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