研究課題/領域番号 |
01603511
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉田 豊信 東京大学, 工学部, 教授 (00111477)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1989年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | 高温固体電解質型燃料電池 / ハイブリッドプラズマ溶射 / 粒子速度計測 / ZrO_2 / LaCoO_3 / NiO |
研究概要 |
本年度はハイブリッドプラズマ溶射法を用いた高温固体電解質型燃料電池(SOFC)の一貫製造プロセス開発の工学的基礎を築くことを目的とした。一貫の意味は一つの装置によって多孔質Ni電極-緻密なYSZ電解質-多孔質LaCoO_3電極を層状に連続してコ-ティングするという意味で広範囲なプラバマパラメ-タ、特に溶射料子速度とプラズマガス組成の制御が必要である。この様な観点からまずストリ-クカメラによる粒子速度を測定した結果、直流入力の制御により10m/s〜50m/sの範囲で粒子速度制御が可能であり、広範な物質の適正な粒子溶融状態の制御が可能であることが示唆された。更に、SMAC法を用いた数値計算により本プロセスでの粒子変形時間は通常の直流溶射に比べて1ケタ以上遅いことが明らかになり、結果として粒子間熱移動が増大することから接合性の向上も期待された。他方、LaCoO_3の様な溶射過程で分解する物質の溶射法を検討した結果、本法の特徴であるAr-02プラズマを用いることにより蒸気圧の高い元素の蒸発を押さえることができ、溶射後短時間の熱処理により容易に元の結晶構造に戻ることが判明した。YSZ溶射に関しては密度98%以上、ガス透過率6×10^<-7>cm^4/g・sの特性を持つコ-ティングが達成され、NiOに関してもAr-02プラズマにより多孔性を有した溶射が可能であった。以上、ハイブリッドプラズマはSOFCの各層に要求される特性を満たすコ-ティング製法として非常に有効であることを明示した。これらの要素研究を総合するため、新たにSOFC一貫製法用の溶射容器を設計試作し、SOFC製造上の問題点を検討した。 結論として、ハイブリッドプラズマ溶射法によるSOFC大量生産は充分に可能であり、今後の展開によっては本法はSOFC製造の主流となる条件を備えていると言える。
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