研究課題/領域番号 |
01603518
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
上田 一正 金沢大学, 工学部, 助教授 (40019758)
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研究分担者 |
山本 善一 金沢大学, 工学部, 教授 (50019709)
加納 重義 金沢大学, 工学部, 講師 (50115226)
橋本 忠 北陸大学, 薬学部, 教授 (70046259)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1989年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 海水ウラン / ペプチド樹脂 / 捕集分離 / 識別機能 |
研究概要 |
本研究では、海水ウランに対し高吸着能を示すペプチド樹脂を実用性の高い、より高機能な樹脂に発展させるため、新規ペプチド支持体の開発とこれまで開発してきた樹脂の改良研究を試み、ウラン捕集性能に関する基礎的な評価を行った。先ず、クロロメチル及びアミノメチルポリスチレン樹脂を基体としたアミノ酸樹脂を合成し、次いで、順次鎖長を延長した各ペプチド樹脂を合成した。合成樹脂は希酸、水などで繰り返し洗浄し、樹脂精製法に改良を加えた。また、各種アミノ酸をスペ-サ-のジアミンを介してアクリル酸に結合したモノマ-を合成し、これをラジカル共重合して、親水性と耐久性に優れたポリアクリルアミド型樹脂を開発した。ペプチド樹脂は炭酸ウラニル種に対し吸着活性を示すが、酸処理した樹脂に平衝吸着量の飛躍的な向上が認められた。炭酸溶液中ではLys(424mg/g-樹脂)、β-Ala(427mg)などとなったが、この傾向は天然海水を用いた場合も認められた。また、ポリアクリルアミド型樹脂では1le(469mg)、Arg(426mg)などとなり、導入アミノ酸のほぼ化学量論的なウラン吸着を達成できた。新樹に吸着したウランに残存配位する炭酸数を求めるため吸着平衝の解析を行ったが、ジ炭酸種として取り込まれていることが明らかとなった。IR測定結果と併せ、プロトン付加した残基アミノ基がウランの捕捉に有効に働くものと推定した。更に海水マトリックス成分の影響を解析した結果、ウランの吸着速度に影響を及ぼす化学種は硫酸イオンであることがわかった。基礎実験と併行して、海水ウランの採取実験を行った。昨年度に作製した装置に、新たに海水循環恒温装置を装着し、本学能登臨海実験所に於て通水実験を行ったが、200lの海水を処理して得られた採取量はGlu(296μg/g-樹脂)、1le(180μg)、His・Gly(95μg)などであった。今後、機械的強度に優れた海水ウラン採取用樹脂としても最適化を図る予定である。
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