研究課題/領域番号 |
01603536
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中塩 文行 九州大学, 工学部, 教授 (70037729)
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研究分担者 |
後藤 雅宏 九州大学, 工学部, 日本学術振興会特別研 (10211921)
久保田 富生子 九州大学, 工学部, 教務員
松本 道明 大分大学, 工学部, 講師 (10157381)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1989年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 膜型抽出装置 / 中空糸 / 希土類金属 / アルキルホスホン酸モノエステル / 協同効果試薬 / 界面活性剤 / 抽出法 / 分離 |
研究概要 |
著者らが開発した流動液膜型の中空糸膜型抽出装置を用いて、希土類金属を高効率で分離する新しい省エネルギ-型分離プロセスを開発することを目的として研究を行い、以下に示す知見を得た。 1.平衡論的研究:アルキルホスホン酸モノエステルであるPC-88Aのn-ヘプタン溶液による希土類金属イオンの抽出平衡を測定し、抽出錯体種および抽出平衡定数を決定した。また、協同効果試薬として、水溶性錯化剤であるジエチレントリアミン-5-酢酸(DTPA)を添加した場合のイットリウム(Y)と重希土類金属(Ho,Er)の抽出平衡に及ぼす影響を検討した。 2.速度論的研究:(1)中空糸1本からなる膜型抽出装置を用いて、PC-88Aによる希土類金属イオンの抽出速度および逆抽出速度を測定した。その結果、これらの金属イオンの膜透過機構が界面反応を伴う拡散機構で表されることを明らかにした。実験結果を解析して各金属の界面反応速度式を導出し、総括の反応速度定数を求めた。(2)本実験装置を用いて、水相にDTPAを添加した場合のY,Ho,Erの抽出速度を測定した。協同効果試薬として水溶性錯化剤に2本のオレイル基を導入した新規の油溶性界面活性剤2C_<18>△^9EDTAのを合成した。膜透過速度に及ぼす2C_<18>△^9EDTAの添加効果を検討した結果、DTPAとは異なり、Ho,Erが選択的に抽出されることによってYとHo,Erとを分離することが可能であることが示された。 3.中空糸モジュ-ルからなる流動液膜型抽出装置とミキサ-セトラ-抽出装置との比較:バストネサイトからの希土類金属の分離プロセスにおける軽希土類/中希土類金属の分離工程、ゼノタイムからの重希土類金属の分離工程への流動液膜型抽出装置の利用を検討し、従来の多段向流ミキサ-セトラ-を用いる抽出法との比較を行った。その結果、本抽出装置を適用することにより、溶媒量を大幅に節減できると同時に、所要動力は著しく小さくなることを明らかにした。
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