研究課題/領域番号 |
01603540
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
石川 治男 大阪府立大学, 工学部, 教授 (00081349)
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研究分担者 |
石見 紘索 大阪府立大学, 工学部, 講師 (30081350)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1989年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 異性体分離 / 位置異性体 / メンブレンリアクタ- / ホロ-ファイバ-型リアクタ- / 固定化酵素膜 / サルファタ-ゼ / ナフト-ル / 光硬化性樹脂 |
研究概要 |
本年度は、酵素の安定性、酵素の固定化と失活した酵素の入れ換えの容易さなどの観点から、より優れた酵素固定化法を探索し、ついでこれらの酵素固定化法に最も適した分離用リアクタ-の開発を行った。成果の概要は以下の通りである。(1)酵素サルファタ-ゼの活性の半減期はpHによらず一定であり、温度40℃では700hであった。また、酵素の安定性の向上を目的として、数種の高分子化合物の添加の影響を調べたが、効果のある化合物は見いだせなかった。(2)種々の酵素固定化法を試みた結果、光架橋性プレポリマ-PVA-SbQを用いたゲル包括法が優れていることがわかった。本法で作製した固定化酵素膜によるβ-およびα-ナフチルサルフェイトの加水分解の速度の比の最大値は220(pH7.8)であり、昨年度の固定化酵素膜の場合の52、ならびに遊離酵素の場合の80のいずれよりもかなり高かった。(3)上記方法で作製した固定化酵素膜を組み込んだ昨年度と同様な平膜型メンブレンリアクタ-(膜面積102cm^2)を用いて、α-およびβ-ナフチルサルフェイトの分離実験を行った。原料液として等モルのα-およびβ-ナフチルサルフェイトを含む溶液を用いた場合、空間時間が1.5hのとき、β-ナフチルサルフェイトの反応転化率、α体とβ体の純度、ならびに回収率はいづれも90%近い値を示し、昨年よりも優れた性能が得られた。(4)多管式熱交換器と類似な形状のホロ-ファイバ-型リアクタ-(内径1.0cmのガラス管内に内径0.8mm、外径1.4mm、有効長さ30cmのホロ-ファイバ-を31本充填)を作製し、遊離酵素を用いて分離実験を行った。その結果、平膜型リアクタ-の場合と全く同様な良好な性能を発揮することがわかった。したがって、酵素の封入と失活した酵素の入れ換えが容易である点を考え併せると、ホロ-ファイバ-型リアクタ-が遊離酵素を触媒として用いる場合に適したリアクタ-であることがわかった。
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