研究課題/領域番号 |
01604002
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
瓜生 敏之 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (80011005)
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研究分担者 |
葛原 弘美 理化学研究所, 主任研究員 (50100053)
吉田 孝 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (40166955)
畑中 研一 東京工業大学, 工学部, 助教授 (70167584)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1989年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | カードラン硫酸 / 抗エイズウイルス活性 / 硫酸化多糖 / 抗凝血活性 / デキストラン硫酸 / リボフラナン硫酸 / T細胞増殖 / エイズウイルス感染 |
研究概要 |
硫酸化多糖は抗凝血活性、脂血清澄活性、および抗エイズウイルス活性などの生理活性を持つが、本研究では高い抗エイズウイルス活性と低い抗凝血活性を示す多糖硫酸化物を作ろうとしている。多糖の骨格が生理活性に重要な影響を及ぼすことが分って来たので、剛直な主鑚をもつ多糖として1,3ーβーDーグルカンのカードランを、そして柔軟な主鑚の多糖として1,6ーαーDーグルカンのデキストランおよび1,5ーαーDーリボフラナンを選んだ。カードランの硫酸化はジメチルスルホキシド中ピペリジン硫酸かあるいはピリジン中三酸化イオウを用いて行った。硫酸化度1.6のカードラン硫酸はいずれの方法で得られたものでも、非常に高い抗エイズウイルス活性、すなわち3.3μg/mlの低濃度で完全にエイズウイルスの増殖を抑制した。この濃度のカードラン硫酸の添加によって、培養中のT細胞はエイズウイルスに感染されることなく順調に増殖した。硫酸化多糖の細胞毒性は硫酸化法によって異なった。ピペリジン硫酸法で得られたカードラン硫酸は、5000μg/mlの濃度でも全く細胞毒性を示さなかった。しかし、三酸化イオウで得られたカードラン硫酸は約100μg/mlで細胞毒性を示すようであった。アメリカ薬局方に準じて牛血漿で測った抗凝血活性では、ピペリジン硫酸法のカードラン硫酸は10u/mgという低い抗凝血活性を示した。無水糖の開環重合から合成したデキストランおよびマンノース分枝デキストラン、ならびにリボフラナンおよびマンノース分枝リボフラナンの硫酸化はピペリジン硫酸を用いて行った。得られたデキストラン硫酸、リポフラナン硫酸は3.3μg/mlないし10μg/mlの低濃度で完全にエイズウイルスの増殖を抑制するという強い抗エイズウイルス活性のものであった。しかし、その抗凝血活性は49〜72u/mgと高かった。
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