研究課題/領域番号 |
01604025
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 星薬科大学 |
研究代表者 |
永井 恒司 星薬科大学, 薬学部, 教授 (40061270)
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研究分担者 |
猪飼 篤 東京工業大学, 理学部, 教授 (50011713)
中林 宣男 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 教授 (30014020)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
1989年度: 9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
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キーワード | 物質輸送機能 / 皮膚角質層 / リポソーム / リモネン / ハイブリッド層 / モノマー拡散 / α_2ーマクログロブリン / 分子輸送システム |
研究概要 |
生体の物質輸送機能を解明することによって材料化学の立場から、医薬等の生理活性物質を効率よく目標部位に送達させる新材料の開発を目的として、(1)生体の皮膚、(2)歯牙等の硬組織および(3)細胞膜に着目した物質輸送機能の修飾・制御について総合的に検討し、以下に示す結果が得られた。 (1)疎水性薬物の主要な皮膚透過経路は角質層の細胞間隙に存在する脂質二重層であると考えられているので、細胞間隙の脂質モデルとしてリン資質を用い、これより調製されたリポソームの膜の流動性に対するdーリモネンの影響を調べた。その結果、リポソームの膜成分としてDPPCを用いた場合はdーリモネン添加による変化はほとんど認められなかったのに対し、膜成分としてコレステロールが共存する場合には著しい膜の流動化が観察された。従ってdーリモネンで認められている優れた経皮吸収促進作用は、皮膚角質層の細胞間隙に存在するコレステロールに対するdーリモネンの親和性により発現するものと推測される。 (2)モノマーが歯質中に浸透、拡散して重合したハイブリッド層を界面に形成して重合体を結合させ、これのう蝕予防への実用化を目指した研究を実施した結果、歯質のエナメル小柱間質に4ーMETAを含むモノマーを拡散し重合させると、エナメル小柱を包み込む形で生体分子と新規な構造体を形成することが明らかとなった。 (3)αー2ーマクログロブリンにシトクロムCとBrCN分解によるフラグメントを結合し、このハイブリッド抗原をマクロファージに与え、その取り込みが遊離の抗原を与えた時に比べて有意に高いことを確認した。一方、同じ抗原で免役した動物の脾臓細胞を先のハイブリッド抗原を含む様々な形の抗原を与えたマクロファージにより活性化し、Tー細胞の活性化と抗体の生産効率を測定した。その結果、Tー細胞の活性化、抗体の生産効率はいずれも有意に高い値が得られた。
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