研究課題/領域番号 |
01604504
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
大野 公男 北海道大学, 理学部, 教授 (40000731)
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研究分担者 |
野呂 武司 北海道大学, 理学部, 助手 (50125340)
田中 皓 北海道大学, 理学部, 講師 (00000860)
舘脇 洋 名古屋市立大学, 計算機センター, 教授 (20002115)
佐々木 不可止 北海道大学, 理学部, 教授 (90000794)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 高温超伝導物質 / 酸化銅 / クラスター / 酢酸銅 / 遷移金属原子 / 遷移金属イオン / スピン交換相互作用 / イオン化エネルギー |
研究概要 |
a)Cu_3O_<12>に関して得た結果をまとめる。1次元鎖部分のOに先ず空孔が生じ易く2次元面内のCuと1次元鎖中のCu及びOとの間に弱いスピン結合がある。次に2次元面内のOに空孔が出来るが、この空孔は2次元面内にある2Px-2Py軌道でCuO軸に垂直な軌道である。更により多くのOの2p電子のイオン化エネルギーの計算値とYBa_2Cu_3O_7の光電子分光とを比べ良い一致が得られた。最も浅いレベル(0.2eV)が先のπ軌道からのイオン化に対応する。 b)OCuOの励起エネルギーを求めて発光スペクトルの同定を行った。基底関数〔bs5p3dlf/4s3pld〕を用いて、多参照1、2電子励起CIを行った。基底状態、低い励起状態は電子のポピュレーション解析から大雑把にCu^+、O^<-0.5>となり、銅はほぼ3d^9(4s4p)^1の構造である。実験のスペクトル中で20700cm^<-1>にある強い遷移強度の励起状態に対しては計算によって20079cm^<-1>、22641cm^<-1>に得られた電気的双極子許容の^2Σu^+、^2Πu状態であろうと考えられる。 c)酢酸銅について、DZ+Pの基底関数を用いて完全原子価CIを遂行した。BandI(1.6=1.8eV)には従来からある説(どちらかのCuでの3dxy->3dx^2-y^2遷移)の他に3dxz->3dx^2-y^2遷移も寄与する。従来3dxz->dx^2-y^2、3dyz->3dx^2-y^2遷移、配位子内励起2電子励起、あるいはCu-Cu linkによってできる新しい励起状態への遷移など、意見が分かれていたBandII(3.3ev)は2個のCuで同時に3d電子が励起する状態であることが示された。 d)M-nの基底状態^6S(3d^5D4S^1)状態とのエネルギー差は従来の計算では実験値1.90eVに対して2.77eVと一致が悪かった。 STO(14s12ploD8f8g)を用いて多参照関数(^6S:8参照関数、^6D:30参照関数)によるSDCIIを行い2.36eVと大幅な改善を得た。
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