研究課題/領域番号 |
01604510
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
櫻井 英樹 東北大学, 理学部, 教授 (70025873)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1989年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | ポリシラン / アニオン重合 / リビング重合 / ブロック共重合 / NMR / PMMA |
研究概要 |
不安定なジシレンと安定な芳香族の形式的なDiels-Alder付加体をジシレンの等価体、即ちマスクされたジシレンとみなし、そのアニオン重合反応を検討した。例えば、容易に合成できるビフェニルでマスクされたジシレンは、酸素や水に対し安定で、蒸留も可能な化合物である。このものを高真空下(またはアルゴン気流下)、THF中でブチルリチウムなどと反応させるとアニオン重合が起こった。エタノ-ルで活性種を失活させ、再沈澱-凍結乾燥によって精製したところ、ビフェニルと共に高分子量ポリシランポリマ-が高収率で得られた。 この重合はオレフィン類のアニオン重合と同様に、原理的にリビング重合である。そのため、ポリシラン末端の種々な修飾、官能化が可能である。例えば、重合終了後、反応容器中に二酸化炭素を導入すると、末端にカルボキシル基を持つ、ポリシランカルボン酸が得られた。 末端修飾の場合と同様、この重合の終了後、反応系中にメタクリル酸メチル(MMA)を添加するとMMAの重合が起きた。 この反応によって得られたポリマ-は、各種の物性、スペクトルの解析から、ブロック共重合体であることがわかった。例えば溶解性を比較すると、ポリシランはシクロヘキサン、ベンゼンに可溶であるが、アセトンに不溶、PMMAはアセトン、ベンゼンに可溶でシクロヘキサンに不溶である。ブロック共重合体はこの3種の溶媒のうち、ベンゼンにのみ可溶であった。また、H-NMRやIRスペクトルでは、ポリシランブロック由来の吸収とPMMAブロック由来の吸収が各々独立に観測された。 このブロック重合の手法を応用することによって、光分解性等ポリシランとしての機能性を従来から知られている多種多様なポリマ-に組み込むことが可能であることを示した。
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