研究課題/領域番号 |
01604527
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
木下 實 東京大学, 物性研究所, 教授 (40011530)
|
研究分担者 |
菅野 忠 東京大学, 物性研究所, 助手 (60134657)
|
研究期間 (年度) |
1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1989年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
|
キーワード | 有機結晶 / 磁気的相互作用 / 分子間相互作用 / 遍歴電子スピン / 局在電子スピン / 不対電子 / ラジカル / 短距離秩序 |
研究概要 |
今年は、結晶中に局在する電子のスピンの間に、結晶中遍歴する電子のスピンを媒介として、どのような磁気的相互作用が働くかを調べる事を目的とした。その一つの系として、ラジカルを付与した電子供与体を合成し、その電荷移動錯体を2種作成して、それらの組成、電子状態を化学分析、電子スペクトル、振動スペクトルなどから決定し、磁化率、磁化、電子常磁性共鳴等の測定を行った。その結果、付与したラジカル上の不対電子と、錯体形成に浜って生成する不対電子の間の相互作用を調節することが、このような系で興味ある磁性を実現する上で重要であることがわかった。もう一つの系として、伝導性錯塩を与えることが知られているテトラチアフルバレン(TTF)やビス(エチレンジチオ)テトラチアフルバレン(BEDT-TTF)と、多ハロゲノ遷移金属酸との錯塩を6種作成し、その物質評価(組成、構造、電子状態)を行い、物性評価(伝導性、磁性等)を行った。TTFとMnCl_4の系およびBEDT-TTFとCoCl_4の系では、低次元磁性体特有の挙動が見られ、また低温で常磁性共鳴の共鳴磁場が大きくシフトするという短距離秩序形成を示唆する結果が得られた。このほか、金属フタロシアニンの陽イオンラジカル塩についても、分子科学研究所との共同研究によって興味ある結果を得ている。
|