研究課題/領域番号 |
01604536
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
中浜 精一 東京工業大学, 工学部, 教授 (90016410)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ブロックコポリマ- / テレケリックポリマ- / ミクロ相分離 / 高分子集合体 / 高次構造制御 / 多孔質膜 / アニオンリビングポリマ- / 反応性高分子 |
研究概要 |
昭和63年度の研究に引続き、アミノ基を含むブロック共重合体(あるいは鎖末端にアミノ基を持ち鎖長の制御されたポリマ-)、および鎖末端にカルボキシル基を持ち分子量および分子量相分布の制御されたポリマ-を合成し、それらの混合物がカルボン酸アンモニウム塩を生成することにより、ブロック共重合体のミクロ相分離構造と類似の規則的な集合構造の形成を電子顕微鏡観察とX線小角散乱測定で確認した。次に、塩基性溶媒で洗浄することによりカルボキシル基をもつポリマ-成分を取り除き、空孔の形態や大きさが制御され、かつその空孔の壁に多数のアミノ基を有する多孔質膜質を作製した。具体的にはアミノ基を含むスチレン誘導体とスチレンのブロック共重合体および鎖末端に1残基のアミノ基を有する分子量分布の狭いテレケリックポリスチレンを合成し、次に、市販の両末端にカルボキシル基を持つポリエチレンオキシド(PEO酸)を再沈澱により精製した。これら二つのポリマ-をアミノ基とかカルボキシル基について種々のモル量で混合、溶解し、凍結乾燥した後、薄膜にキャストしてサンプルとした。この薄膜の透過型電子顕微鏡(TEM)観察により明瞭なラメラ状の高分子集合構造が形成されていることが明らかになり、その恒等周期を求めることが出来た。さらに、X線小角散乱測定から得られる恒等周期はTEM観察によるものとよく一致した。集合構造の規則性に対するブロック鎖長、テレケリックポリマ-の分子量、キャスト溶媒、アミノ基とカルボキシル基のモル比の影響を検討した。この薄膜をKOH-メタノ-ルで洗浄すると、PEO酸成分は定量的に除かれ、多孔質膜となることがわかった。恒等周期は元の集合体のそれよりも大きくなるが規則性は保持されており、この方法により、10〜90m^2/gの大きな表面難とアミノ基を持つ構造の規制された多孔質膜が得られることが明らかになった。
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