研究課題/領域番号 |
01604542
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
栗田 雄喜生 横浜国立大学, 工学部, 教授 (80114974)
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研究分担者 |
横山 泰 横浜国立大学, 工学部, 助手 (60134897)
栗田 進 横浜国立大学, 工学部, 教授 (30089833)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 光記録材料 / 光メモリ / ホトクロミック材料 / フルギド / 電子環化反応 / 量子収率 |
研究概要 |
1.フォトクロミック化合物-光によって色(吸収波長)が可逆的に変化する化合物-を用いた書き換え可能な光記録材料の開発が要望されている。フルギドは、電子環化反応の閉環・開環によって光着色・光消色する。電子環化反応は協奏反応であるので反応が速く副反応が少ない。これらの化合物を改良して高性能フォトクロミック材料を開発することがこの研究の目的である。 2.(1)フォトクロミック光反応量子収率の励起波長依存性と温度依存性は光記録の非破壊読み出しに利用できる。溶液中の6種のフリルフルギドの開環量子収率は、励起光が長波長になると減少する。置換基をイソプロピリデン基から嵩高のアダマンチリデン基に代えると、開環量子収率は大きくなるがその相対的波長依存性は小さくなる。ポリマ-フィルム中でのフルギドの開環量子収率の温度依存性から求めた活性化エネルギ-は200〜500cm^<-1>であって照射波長に依存する。以上の知見を総合して、フリルフルギドの基底状態および励起状態のポテンシャル曲線を推定し、これ使って光反応過程を説明した。開環反応は、電子励起状態の振動基底状態からだけでなく振動励起状態からも起きる。前者からの反応は遅くて活性化エネルギ-を要し、後者からの反応は速くて振動緩和と競合する。(2)フォトクロミック変化に対する、開環・閉環部から離れた位置にある置換基の電子的効果を解明するために、インドリルフルギドの光反応を研究した。インド-ル環の5位についた置換基の電子供与性が増すほど、開環着色体の吸収は長波長化するが、開環量子収率も閉環量子収率も低下する。ジメチルアミノ基をもつものは、780nmの半導体レ-ザ-光に感受性がある。(3)光メモリ-の分解能の限界を決定する分子間エネルギ-移動に関係する現象を見付けた。
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