研究課題/領域番号 |
01604559
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
左右田 健次 京都大学, 化学研究所, 教授 (30027023)
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研究分担者 |
平澤 敏子 京都大学, 化学研究所, 教務職員
植村 栄 京都大学, 化学研究所, 助教授 (70027069)
谷澤 克行 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (20133134)
江崎 信芳 京都大学, 化学研究所, 助教授 (50135597)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1989年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | アラニンラセマ-ゼ / 好熱性細菌 / ピリドキザル酵素 / ドメイン分断 / 耐熱性酵素 |
研究概要 |
本研究は酵素を単なる生体触媒から安定な高度機能性触媒に改変してより広い応用面を開拓することを目的としている。まず、好熱菌Bacillus stearothermophilusの耐熱性アラニンラセマ-ゼ遺伝子のDNA塩基配列を解析し、本酵素タンパク質の全一次構造を決定した。各種のプコテア-ゼによる限定分解を行った結果、本酵素サブユニットは大小2個のドメイン間をつなぐヒンジ領域(Pro258-Tyr268周辺)に対応する部位で本酵素遺伝子を切断した。Ala270の部位にFspI切断部位が存在するので、N端側ペプチド(F2と命名)をその部位で終止させるための終止コドン、EcoRI及びHindIIIの切断部位、C端側ペプチド(F1と命名)を別個のペプチドとして翻訳させるためのSD配列及び開始コドンが順次連なるDNAリンカ-を合成し、FspI部位に導入した。本プラスミド(pARSD2)を持つE.coliJM109クロ-ン株の細胞抽出液は約17単位/mg/分の比活性を示した。この値は野生型酵素遺伝子をコ-ドすpARSD2プラスミドを持つE.coliJM109クロ-ン株の細胞抽出液の比活性、約62単位/mg/分よりは低いけれどもE.coliJM109株自身の持つ活性、0.07単位/mg/分よりはるかに大きい。pARSD2を持つE.coliJM109クロ-ン株細胞抽出液よりアラニンラセマ-ゼを精製した。本分断型変異酵素は熱に対して安定で、70℃、80分の処理によっても全く失活しない。しかし、野生型酵素よりは若干不安定で、野生型酵素は80℃、20分の熱処理によって約40%失活するのに対して、分断型変異酵素は同一条件下において約70%失活した。両酵素は免疫化学的に極めて類似していた。また、円偏光二色性スペクトルも互いに非常に近似していた。分断型変異酵素と野生型酵素との間の基本的な構造上の差、すなわち2次構造上の大きな違いはないと考えられる。
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