研究概要 |
「アルカリフッ化物を含むZrF_4系ガラスにおけるアルカリイオン伝導」の研究:フッ化物ガラス系ではガラス化を容易にするため、ガラスの組成設計上アルカリフッ化物の添加が必要とされる場合が多く、この際アルカリフッ化物添加に伴うアルカリイオン伝導の有無とフッ化物イオン伝導への影響を明らかにしておくことは必要不可欠である。また同時に(フッ化物イオン-アルカリイオン)の混合伝導体ガラスの開発にも興味がもたれる。フッ化アルカリとフッ化ジルコニウムの二成分系ではガラスは得られなかったが、ほぼ二成分系とみなせる(95-x)ZrF_4-xMF-5LaF_3(M:Li,Na,K,Rb,Cs)系においてガラス化を見い出した。これらのガラスについて、分子動力学シミュレ-ション、EXAFS,NMR、電気伝導度、電荷担体解析の実験を行った。その結果、Na,K,Rb,Csのガラスではフッ化物イオン伝導のみであるが、Liのガラスでは全伝導に対してリチウムイオン伝導が大きく寄与していること、そしてx≧30ではリチウムイオン伝導体、x<30では(フッ化物イオン-リチウムイオン)混合伝導体であることを明らかにした。 「MFn-doped pbSnF_4系結晶の合成とその評価」の研究:フッ化物イオンの超イオン伝導性ガラスを開発するための化学組組成計指針を得るための研究である。フッ素あるいはフッ化水素の気流下でのフッ化物合成ラインを組み上げ、種々のフッ化物結晶化合物の合成を可能にした。この装置を用いて、MFn-doped PbSnF_4(M:I,II,III価の金属元素)系結晶を合成し、その電導度および結晶化学的評価を進めた。この研究は目下進行中である。
|