研究課題/領域番号 |
01604588
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
入江 正浩 九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (30001986)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1989年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 光応答性高分子 / フォトクロミック反応 / 高分子ゲル / 相転移 |
研究概要 |
わずかな光量により大きく変形する感度のよい高分子ゲルを作成するには、相転移現象を利用するのが有効である。63年度において、アゾベンゼンを含むポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)水溶液の相分離温度を光制御することが可能なことを見出した。この結果をふまえてトリフェニルメタンロイコニトリルを含むポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)ゲルの光誘起相転移変形の検討を行った。 光照射しない時は、この高分子ゲルは30℃付近で連続的に体積収縮する。しかし、光照射によりイオンゲルへと変換すると、温度を上昇させた時には、32.6℃において約10倍の急速な体積収縮が認められた。一方温度を下げた時には、31.5℃において急速な体積膨張が認められた。32℃に温度を維持すると、光照射により約10倍の不連続的な膨潤・収縮挙動が観測された。この系においてはじめて、大きな変形をともなう感度のよい高分子ゲルの光誘起相転移変形が実現した。 感度よく大きく変形する光応答性高分子ゲルを作成するもう一つの方法は、電場の助けを借りることである。電場印加により、光変形が加速されることは既に報告している。この機構を明らかにすることを目的として、電場依存性、電流依存性、照射部位依存性を検討した。その結果(i)変形速度は1/2に比例する。(ii)変形速度は電流量に依存しない。(iii)負極側を光照射すると速く変形することが見出された。これらの結果から電場下の変形が高分子ゲルのごく表面における電場摂動によるイオン分布の変化によるものであることが明らかとなった。 これまでは含水高分子ゲルについて検討をすすめてきたが、実用上は水を含まないドライフィルム系が望まれる。この第一歩としてビオロ-ゲン基を含むポリテトラヒドロフランについてその光応答挙動を検討した。一定伸長下、光照射により応力の減少することが認められた。
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