研究課題/領域番号 |
01604592
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
南 努 大阪府立大学, 工学部, 教授 (80081313)
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研究分担者 |
町田 信也 大阪府立大学, 工学部, 助手 (10190381)
辰巳砂 昌弘 大阪府立大学, 工学部, 助手 (50137238)
峠 登 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (00081315)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1989年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | イオン導電 / 混合導電 / アモルファス / 雰囲気制御 / 銅イオン / リチウム電池 |
研究概要 |
イオン導電性材料は固体電池、表示素子などへの応用が期待され、活発に研究が進められている。本研究では、種々のアモルファス化手段を用い、さらに作製時の表面雰囲気の制御を行うことにより、導電性が高く、しかも安定性にすぐれたイオン導電性およびイオン-電子混合導電性アモルファス材料を開発することを主な目的とする。得られた成果は以下の通りである。 1.溶融雰囲気を厳密にコントロ-ルすることにより、全く新しい固体電解質としてCuI-Cu_2O-MoO_3系銅イオン導電性ガラスを作製することができた。これらのガラスは室温で10^0〜10^<-3>Sm^<-1>という電解質溶液に匹敵する導電率を示した。 2.価数の異なる2種のオキソ酸アニオンを含むCuI-Cu_2MoO_4-Cu_3PO_4系についてガラスを作製し、その導電機構について検討したところ、ガラス中に含まれる全てのCu^+イオンが導電に寄与するのでなく、CuIから供給されたCu^+イオンのみが導電に寄与していること、Cu^+イオンはガラス中に存在するI_4四面体クラスタ-からなる導電経路を主に伝わること、オキソ酸アニオンはキャリア-であるCu^+イオンの動きを阻害するトラップセンタ-として働くことなどを見い出した。 3.双ロ-ラ-超急冷法を用いて、Fe_2O_3-V_2O_5系ガラスを作製した。これらのガラスを正極とするリチウム電池を作製し、その特性評価を行ったところ、これらの電池は3V以上の高い開回路電圧を示し、さらに200Ahkg^<-1>以上という大きな放電容量を有することが明らかとなった。 4.新しく開発したCu^+、Li^+イオン導電性ガラスの構造をIR・ラマン分光およびX線回折により解析した。その結果、ガラスの構造は融液の構造と類似しており、特に融液中での酸-塩基反応によって生成する種々の構造単位がガラス中にそのまま凍結されていることが明らかになった。
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