研究課題/領域番号 |
01608501
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
伊達 玄 山形大学, 工学部, 教授 (50112355)
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研究分担者 |
渡辺 富夫 山形大学, 工学部, 助教授 (30167150)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1989年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | Kirchhoff / 音声認識 / 騒音遮断 / マイクロホン / 接話マイクロホン / ハウリング / 信号処理 / 空間処理 |
研究概要 |
すでに昨年度の報告において、基本原理を紹介し、球面を正多面体で分割してその中央に受音素子対を置き境界面情報を取った場合について、シミュレ-ションによって検討した結果を述べた。得られた雑音遮断性能は著しく、他の方法では原理的に到底実現できない数+dBほどが容易に期待できる程度のものである。ついでこれを実用可能な形態とするために、球面に在る受音素子対の一個の感度を零として超接話マイクロホンとする案を採用し、同様にシミュレ-ションによって吟味した。 本年度は以上の成果を受け継ぎ、実施計画通り、先ず構成を簡単化する可能性を探るために、極限減衰を与える平面波入射について、境界面三物理量の相対的重要度を検討した。三物理量の相互効果をめざましく、充分な遮断特性を実現するためにはいずれも省略するのは困難であるとの結論を得た。また、最も望ましい接話特性を実現する境界面受音素子対の感度分布をシミュレ-ションによって検討し、広い帯域で耐雑音特性をもつ感度分布と信号処理法を得た。一方では、受音素子対の取り付け位置の誤差、感度のバラツキのシステム全体に及ぼす影響を解析した。通常の実現精度を前提として、感度のばらつきが重要な因子であるきとが判明した。また、使い勝手の良い将来のマイクロホンは必ずしも球形を基礎とするものばかりではなく、変形を許す必要があり、偏平回転楕円体を近似した解析を行い、長短径比2.0以下では球とほぼ変わり無い結果が得られるとの結果を得た。ハ-ドウエアに関しては、受音素子対20個球面形、およびアナログ信号処理回路を簡単に試作した。無響室における実験で1KHz:25dB、2KHz:17dBの相対利得(空間減衰を表す尺度)が得られた。これは在来の方法では期待できない程度の高い値であるが、理論とシミュレ-ションの示す値に未だ達していない。これを解決するために次年度以降も研究を続行して、信号処理部をデジタル化し、かねて受音素子の感度を自動的に揃える方法を開発する予定である。
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