研究分担者 |
伊藤 泰男 東京大学, 原子力総合センター, 助教授 (40011150)
河津 璋 東京大学, 工学部, 助教授 (20010796)
尾浦 憲治郎 大阪大学, 工学部, 助教授 (60029288)
一宮 彪彦 名古屋大学, 工学部, 助教授 (00023292)
市川 禎宏 明治大学, 理工学部, 教授 (60005965)
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研究概要 |
1.HREELSにより次の新成果を得た。(1)共吸着による新表面構造Pd(110)c(2×4)ーCs/Hを発見し,その構造モデルを提出。(2)Pd(110)(1×2)ーCs表面におけるC_2H_4の吸着状態を解析し,Pd(110)清浄表面との相違を明らかにした。(3)Si(111)7×7表面上のC_6H_6の分子状化学吸着状態を確認した。(4)時間分解用EELS装置を制作し,ビーム強度の強化をめざして調整中(恩地,西嶋)。2.液体金属清浄表面(Sn,In)の作成に成功し,その表面層密度分布を解析した(市川)。時間分解RHEEDにより,Si(111)7×7表面への蒸着Siの成長を解析し,初期にはadatom結合の切断によるδ(7×7)構造の形成,dimerとstacking faultの保存を確認した。【greater than or equal】300℃の加熱によるdimer結合の切断,stacking faultの解消,√<3X>×√<3X>,"1×1"構造の出現を明らかにした(一宮)。3.RHEEDーTRAXSにより,Si(111)表面上の金属吸着構造の被覆率を精密測定した。またGe(111)清浄表面および金属吸着面におけるGeの成長過程を解析し金属原子の成長促進作用を見出し,成長中の元素分析の"その場"測定に初めて成功した(井野)。4.LEED強度データ迅速収集処理システムの整備を終了した。またERDAによりH吸着量の絶対値を非破壊的に決定する手法を確立した(尾浦)。時間分解LEEDにより,Si(111)(√<3X>×√<3X>)ーAI構造,(√<3X>×√<3X>)ーIn構造を解析し被覆率を決定した(河津)。5.低速陽電子ビームの強度およびプロファイルの測定に成功し実験条件の定量的評価を可能とした。磁場輸送系から非磁場系へのビーム輸送および輝度強化とビーム収束(径1〜2mm)に成功した。現在,輝度強化用モデレータと周辺の静電レンズ系とを整備中である。リニアックを用いた高強度低速陽電子ビームで表面研究などに実用可能なものとしては世界初となる予定である(伊藤,末岡)。
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