研究課題/領域番号 |
01609006
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉森 昭夫 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (50013470)
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研究分担者 |
中山 正敏 九州大学, 教養部, 教授 (70012375)
寺倉 清之 東京大学, 物性研究所, 助教授 (40028212)
張 紀久夫 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (60013489)
金森 順次郎 大阪大学, 理学部, 教授 (10028079)
興地 斐男 大阪大学, 工学部, 教授 (20029002)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
23,000千円 (直接経費: 23,000千円)
1989年度: 23,000千円 (直接経費: 23,000千円)
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キーワード | シリコン(111)7×7DAS構造 / 共吸着表面 / シリコン(100)再構成表面 / 格子ガス模型 / アルカリ吸着金属表面 / オージェ中性化 / 共鳴トンネル過程 / 準安定原子脱励起分光 |
研究概要 |
理論班の目標は種々のタイプの手段を用い、実験と密接に協力しながら新しい表面系の理解を進めることにある。この目標に沿って本年度の理論班の活動が活発に行われた。高精度の電子構造の計算、統計力学的な表面解析、モデルに基づく動的過程の計算にわけて、先ず電子構造の計算としては、si(111)5×5.7×7DAS構造、si(100)清浄及びアルカリ吸着表面、si(111)金属吸着√<3>×√<3>構造、Ag(100)ーCOーK共吸着表面について非経験的な計算が行われた。特にsi(111)7×7DAS構造の計算はスーパーコンピューターの能力限界に相当するもので、その成功はこの意味でも興味がある。si(100)再構成表面については全エネルギーの計算がなされ、c(4×2)再構成構造がもっとも低いエネルギーを持つことが示された。統計力学的な表面解析としては前年度に引き続く格子ガス模型計算機実験によるGe(111),Si(111)再構成表面、アルカリ吸着金属表面、共吸着表面、W(100)水素吸着再構成表面の相互作用、長及び短距離秩序、相転移の研究に加えて、si(100)再構成表面の短距離秩序の研究が加わった。簡単化された模型での動的過程の計算としてはやはり昨年度に続くオージェ中性化過程、共鳴トンネル過程での非断熱過程の研究は、オージェ中性化過程についてはイオンの高速領域と低速領域をつなぐ中性化確率の表式化に成功し、共鳴トンネル過程での計算では二原子分子の金属表面での散乱過程での回転、振動自由度へのエネルギー移動が論じられた。本年度加わった準安定原子脱励起分光では三重項状態での初期状態相互作用効果で近藤効果が観測される可能性の指摘がなされた。全体を見渡して理論に対して期待された役割は果たしたと言える。
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