研究課題/領域番号 |
01610003
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
野崎 義行 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (70126142)
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研究分担者 |
長屋 裕 放射線医療総合研究所, 研究部長
中西 孝 金沢大学, 理学部, 助教授 (00019499)
坪田 博行 広島大学, 総合科学部, 教授 (70013555)
中井 信之 名古屋大学, 理学部, 教授 (40022529)
蒲生 俊敬 東京大学, 海洋研究所, 助手 (70143550)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
13,200千円 (直接経費: 13,200千円)
1989年度: 13,200千円 (直接経費: 13,200千円)
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キーワード | 化学トレーサー / 放射性核種 / 微量元素 / 放射性炭素 / タンデトロン / プルトニウム / 拡散混合 / 海洋循環 |
研究概要 |
本年度は、白鳳丸KHー89ー2次世界周航航海において世界の主要な海盆から新たに放射性核種、微量元素、およびフレオンなどの試料の採取を行なったが、主として前年度までに得られた試料の分析とその結果のとりまとめに重点を置いて研究を行った。 先ずKHー87ー2次白鳳丸航海で見つかった表層から1000m深にかけての異常に大きな^<210>Pbに対する^<210>Poの不足量は、北赤道海流が黒潮となる海洋循環過程で大気由来の^<210>Pbが集積する効果を導入することによって初めて説明しうることをモデルから明らかにした。さらに北西太平洋におけるこれまでのU/Th系列核種の分析結果を詳細にレヴューレ、拡散・混合のトレーサーとしてのRa同位体、^<222>Rn、^<227>Acなどの有用性とともに、スキャベンジングのトレーサーとしてのTh同位体、^<231>Pa、^<210>Pbなどについても現状を分析し今後の課題をまとめた。またKHー88ー3次航海で得られた試料の分析もほぼ完了し、太平洋における^<228>Ra/^<226>Ra比の表面海水中の分布を図にすることができた。これは沿岸域から外洋への物質の輸送経路を示す最もよい指標となり得る。PuとAmについては、分析手法の改良に努力が払われ、また広範囲な海域でのデータが着実に集められている。タンデトロンを用いる^<14>Cの分析は順調に行われているが、本年度はとくに海水からCO_2を直接抽出する装置を作成し、分析の利便性を増すことができた。微量金属については、これまで数多くのデータが得られているが、それらの抱括的にまとめて公表する段階にきている。酸素酸に関しては、生物活動との関連において新しい知見が得られた。フレオンについては分析法の習得も終り、多くのデータを集積しつつある。これらの結果の多くは、今後の1・2年の間に学術誌に公表される予定である。
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