研究課題/領域番号 |
01611501
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
八木 健彦 東京大学, 物性研究所, 助教授 (20126189)
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研究分担者 |
内海 渉 東京大学, 物性研究所, 助手 (60193918)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1989年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | メタン / 氷 / 融解曲線 / 高圧 / 状態方程式 / 氷衛星 |
研究概要 |
本年度は、まずここ2年間開発が続けられてきた、ルビ-の蛍光線の波長と半値幅を用いてダイヤモンドアンビル装置の試料室中の温度と圧力を精密に決定する方法の皮度と信頼度を、すでによく確立されている氷(H_2O)の融解曲線を用いて検定した。その結果この手法により、温度±5°C、圧力は±0.1GPaの精度で決定できることが明らかになった。 次にこの新しい実験手法を用いて、氷衛星の主成分の一つであるメタンの融解曲線を5GPaまでの圧力領域で精密に決定することに成功した。この圧力は、木星や土星に見られる大型の氷衛星の中心圧力に相当し、これらの衛星の生成から進化の過程を議論する際に必要とされる圧力領域でのメタンのふるまいが明らかにされたことになる。 またダイヤモンドアンビルで一定荷重のもとで温度を変化させた場合、近似的に試料室の体積が一定に保たれることから、試料の熱膨張による圧力変化を測定することができる。このことを利用して、一定荷重のもとでの温度と圧力の変化の割合から、氷とメタンの種々の相の、体積弾性率Kと熱膨張係数αの積(Kα)を圧力及び温度の関数として求めることに成功した。高圧下の熱膨張はきわめて測定が困難な量であり、特に液体のそれに関してはほとんど依存しないで一定になると考えられてきたが、本研究により、温度、圧力の上昇と共にかなり減少するという新しい知見が得られた。高圧下の熱膨張係数の見積の精度に関してはまだ多少問題点が残されており、今後の研究の発展が期待されるが、本研究で惑星の内部構造を考える上で重要になる物質の高温高圧下の状態方程式に関して重要な知見を得ることができた。
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