研究分担者 |
小山 昇 東京農工大学, 工学部, 教授 (40134845)
村上 幸人 九州大学, 工学部, 教授 (30037717)
関 一彦 広島大学, 理学部, 助教授 (80124220)
中村 晃 大阪大学, 理学部, 教授 (80029404)
仁木 克己 横浜国立大学, 工学部, 教授 (00017899)
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研究概要 |
多電子移動過程,とくに生体高分子及びそのモデル化合物における多電子移動過程の基本的性質の解明と触媒効果の発現機構の解析を目的として研究を行った。千田は多電子移動酵素機能電極設計の基礎となるメディエータを用いる界面多電子移動反応について,そのバイオエレクトロカタリシス電流の理論を明らかにし,これをジアホラーゼ,ジアホラーゼ・NAD型デヒドロゲナーゼ電極等に適用し,それらのセンサーへの応用について検討した。また,酵素電極間直接電子移動について,グルコン酸デヒドロゲナーゼなどについて検討を進めた。仁木は4電子移動チトクロムC_3について,4個の異なる酸化還元活性点をもつ場合の4つの巨視的酸化還元電位及び16個の微視的酸化還元電位の存在を示し,その分子構造との相関を明らかにした。中村はフェレドキシン等のモデル化合物として各種ジチオラート配位子を用いる金属クラスタ集合体からなる金属高分子錯体の多電子移動反応について研究し,その還元触媒活性を検討した。ニトロゲナーゼ活性との類似性の機構について論じた。村上は疎水性ビタミンB_<12>被覆電極作製法を開発し,この修飾電極を用いる炭素骨格組み替反応を行った。関は導電性高分子界面及び臭化銀/メロシアン色素界面について紫外光電子分光法を用いて電子構造を明らかにし,電子移動過程の物性の解明を行った。また,小山はレドックスポリマー型導電性高分子の伝導機構を明らかにし,水晶振動子法による解析を行った。増原は高分子移動機構をフラッシュホトリシス法を用いて解析した。大倉はポルフィリン錯体における光励起電子移動を解析し,光合成モデル系への展開を試みた。井上は大環状包接錯体の電子構造の解析を行った。谷口はチトクロムC及びチトクロムCオキシダーゼにおける界面多電子移動の解析を進め,生体高分子電荷移動反応の特性について論じた。
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