研究課題/領域番号 |
01612005
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
土田 英俊 早稲田大学, 理工学部, 教授 (90063461)
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研究分担者 |
引地 邦男 北海道大学, 理学部, 教授 (30000805)
東村 敏延 京都大学, 工学部, 助教授 (20025860)
大矢 博昭 京都大学, 理学部, 教授 (00025389)
大瀧 仁志 岡崎国立共同機構, 分子化学研究所, 教授 (80022549)
堀江 一之 東京大学, 先端科技研センター, 助教授 (10013690)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
28,000千円 (直接経費: 28,000千円)
1989年度: 28,000千円 (直接経費: 28,000千円)
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キーワード | 高分子錯体 / 弱い配位 / 動的解析 / 動的相互作用 / 動力学 / 歪錯体 / 大環状錯体 |
研究概要 |
高分子錯体に独特な弱い配位系を対象に、その相互作用を動的に把え、高分子錯体に関する基礎科学を確立することが目的である。錯体部周囲環境を構成するコンフォメ-ション変化に伴う弱い配位錯体系の動力学を、固相および溶液状態において理論と実験の両面から解析するとともに、ポルフィリン錯体、歪錯体、大環状錯体、π配位錯体、生体高分子錯体において、錯体部を標識とした動的スペクトル解析や反応解析に新しい方法を駆使して、高分子錯体に独特な動的相互作用を定量的かつ系統的に明らかにしようとした。第3年次として研究組織一体となって、次の成果を得た。 (1)高分子ポルフィリン錯体を対象に、歪構造と弱い配位現象をポルフィリン周囲の分子環境とマトリックスの動的構造に関連させて、高速分光法、ESRゆらぎ微細構造パラメ-タ、フォノンカップリング、メスバウアパラメ-タなどから動的に解析、相互作用を総合的に把握できた。 (2)ポリアミノ酸、多糖および対応するアミノ酸、糖錯体など、モデル高分子錯体の溶液中における局所微細構造の動的解析を進め、解析結果の相互比較とシュミレ-ションから、動的相互作用の因子を定量的に整理できた。 (3)π配位錯体、大環状ポリアミン錯体、不製ルテニウム錯体などに独特な、歪構造と弱い配位系を時間軸で測定した。特に動的相互作用を電子過程との相関から特徴づけ、化学反応過程における弱い配位の役割を実証できた。 各班員間の直接の共同も含めて、高分子錯体の動的解析結果を相互比較し、高分子錯体の弱い配位系の実態について定量的議論を進め、基礎概念と具体的意義をまとめた。動的相互作用の理解に基づく新しい物質系「高分子錯体」の定量的把握に踏み込む成果が得られた。
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