研究課題/領域番号 |
01614512
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
日高 弘義 名古屋大学, 医学部, 教授 (80100171)
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研究分担者 |
萩原 正敏 名古屋大学, 医学部, 助手 (10208423)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1989年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | Cキナ-ゼアイソザイム / エンザイムイムノアッセイ / 細胞増殖 |
研究概要 |
発癌プロモ-タ-12-0-テトラデカノイルホルボ-ル13アセテ-ト(TPA)やイノシト-ル代謝回転産物DGによっ活性化されるCキナ-ゼは、細胞の発癌過程や増殖機構に深く関与していると考えられるが、その詳細な分子機序には不明な点が多い。近年、Cキナ-ゼに複数のアイソザイムが存在することが確認され、各アイソザイムが組織特異的に発現していることが明らかとなった。そこで、本研究では、正常組織、癌組織及び培養細胞中の微量の各Cキナ-ゼアイソザイムの発現量を定量し、Cキナ-ゼアイソザイムのいずれが発癌過程あるいは増殖機構に関与しているのか検討した。 独自にCキナ-ゼアイソザイムのエンザイムイムノアッセイ法を開発し、各組織のtype I(γ)、type II(β)、type III(α)の発現量を測定したが、その結果は従来の半定量的測定方法、すなわち(1)ヒドロキシアパタイトカラムによる分画、(2)Western blot,(3)Northern blot、(4)免疫組織化学などにより得られた結果とよく一致し、このアッセイ法の有効性が明らかになった。このエンザイムアッセイ法の確立により、ラジオアイソト-プを用いない非常に簡便なCキナ-ゼアイソザイム定量法が臨床検体の検索に供し得る可能性が見出された。実際、甲状腺腫傷、神経腫瘍では、ある種の腫瘍マ-カ-として、Cキナ-ゼアイソザイムの定量化が診断的価値を有することが示唆された。TPA依存性増殖を示すA65T細胞でtype III(α)Cキナ-ゼが特異的に減少していることが判明したのは非常にに興味深いが、その解釈は難しい。type IIICキナ-ゼが細胞増殖に深く関与していることを示す有力な証拠と考えられるが、更に検討を続ける必要がある。
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