研究課題/領域番号 |
01614517
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
佐藤 文三 大阪大学, 医学部, 助教授 (30124770)
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研究分担者 |
松本 圭史 大阪大学, 医学部, 教授 (70028299)
西澤 恭子 大阪大学, 医学部, 助教授 (10172652)
宮下 義博 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
幸原 晴彦 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
古賀 正史 大阪大学, 医学部, 助手 (00186652)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
1989年度: 7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
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キーワード | アンドロゲン / 自己増殖因子 / FGF / FGFレセプタ- / リノレイン酸 |
研究概要 |
アンドロゲン応答性マウス乳癌(シオノギ癌115)由来の培養細胞株(SC-3)を得た。この細胞を無血清培地下でテストステロンで刺激した。このconditioned medium(CM)を濃縮し、CM cellulose,Heparin Sepharose,Cupper Affinity Column,Heparin Seharose,C_4(Reverse Phase)Columnに連続的にかけた。各々のカラムからの溶出液中の増殖刺激活性を、SC-3細胞を標的細胞と測定した(自己増殖因子活性)。最後のC_4カラムからは35%アセトニトリルで増殖因子が溶出された。又ゲルロ過カラムでは、分子量39Kの所に溶出された。この増殖因子の合成分泌は、アンドロゲンとグルココルチコイドで促進され、TGF-β_1により抑制された。又培地中に、抗FGF抗体を添加すると、アンドロゲン及びグルココルチコイド依存性増殖は抑制された。この結果は、アンドロゲンもグルココルチコイドも同じ増殖因子を誘導しうること、この増殖因子はFGFと同じepitopeを持つことを示唆している。しかし、rat bFGF,mouse Int-2,mouse hst等のプロ-ブを用いた検索では、既知のFGFファミリ-に属する遺伝子の発現は同定できなかった。しかし、この増殖因子はSC-3細胞の細胞膜に存在するFGFレセプタ-と結合し得ることが以下の実験より明らかとなった。即ち、〔^<125>〕FGFがSC-3細胞に結合するのを阻害すること、(^<125>〕FGFがレセプタ-蛋白(130K)に結合するのを阻害すること(cross linking実験)等が判明した。以上の結果は増殖因子がFGFレセプタ-と結合することにより効果を発現することを強く示唆するが、この過程において修飾因子が存在することが明らかとなった。培地中にリノレイン酸を添加すると、単独では効果を示さないが、増殖因子の作用を3〜4倍増強した(Thymidtneの取り込みを指標にして)。FGFレセプタ-のリガンド結合能には影響しなかった。以上の結果は、増殖因子の効果発現に、不飽和脂肪酸が重要な役割をはたしていることを示唆する。現在FGFレセプタ-のtyrosine knase活性への影響を検討中である。
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