研究課題/領域番号 |
01614522
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
浜岡 利之 大阪大学, 医学部, 教授 (60028529)
|
研究分担者 |
藤原 大美 大阪大学, 医学部, 助教授 (70116094)
|
研究期間 (年度) |
1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
21,000千円 (直接経費: 21,000千円)
1989年度: 21,000千円 (直接経費: 21,000千円)
|
キーワード | 抗原提示細胞 / ヘルパ-T細胞腫瘍 / 抗原処理機構 / 腫瘍抗原提示機構 |
研究概要 |
腫瘍抗原の認識機構及び抗腫瘍免疫誘導における抗原提示細胞(APC)の役割を研究した結果、本年度はおもに以下の成果を得た。 1.BALB/cマウス由来CSA1M線維肉腫に特異的に反応するT細胞株を得た。このT細胞株はCD4^+CD8^-でCSA1M腫瘍抗原刺激によりIL-2とインタ-フェロンγを産生するヘルパ-型T細胞株であることがわかった。重要な知見は、このCSA1M特異的T細胞株は種々の形のCSA1M腫瘍抗原(腫瘍細胞自身、腫瘍細胞膜画分、可溶化腫瘍抗原)で刺激されたが、いずれの際もAPCの存在を必要とした。更に、腫瘍膜画分と正常マウスAPCを共培養して作成した。腫瘍抗原-pulsed APCによってもこのCSA1M T細胞株は効率よく刺激された。この結果は、ヘルパ-型の抗腫瘍T細胞は、腫瘍抗原をpick upしそれを細胞表面で提示しているAPCによって活性化されることを示している。 2.前述の腫瘍抗原-pulsed APCを正常マウスin vivoに5回免疫し、その後CSA1M生細胞を攻撃接種したところ、著明なCSA1M特異的免疫抵抗性の誘導が確認された。即ち、腫瘍抗原をパルスしたAPCを用いてマウスを免疫する事により、in vivoにおける抗腫瘍提抗性を誘導し得る抗腫瘍免疫誘導系を確立しえた。この結果は、腫瘍抗原がAPCを介して抗腫瘍ヘルパ-型T細胞を中心とする免疫系を活性化するという経路の最初の段階を直接証明しえたものである。今後腫瘍抗原に対する抗原認識機構を詳細に解析する上で、この腫瘍抗原-pulsed APCを用いた抗腫瘍免疫誘導系は極めて有用なアプロ-チとなると考えられる。
|