研究課題/領域番号 |
01614523
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
谷口 維紹 大阪大学, 細胞工学センター, 教授 (50133616)
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研究分担者 |
山田 源 大阪大学, 細胞工学センター, 助手 (80174712)
畠山 昌則 大阪大学, 細胞工学センター, 助手 (40189551)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
22,000千円 (直接経費: 22,000千円)
1989年度: 22,000千円 (直接経費: 22,000千円)
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キーワード | IL-2レセプタ- / リンパ球 / シグナル伝達 / IL-2システム / インタ-フェロン / 転写制御 / 転写因子 / レプレッサ- |
研究概要 |
Tリンパ球(T細胞)の増殖因子として知られるインタ-ロイキン2(IL-2)は二種類の受容体分子に結合することが知られていた。そのひとつであるIL-2受容体α鎖(IL-2Rα)はすでに構造が知られていたが、他方のIL-2受容体β鎖(IL-2Rβ)に関しては、本年度に我々が初めてそのcDNAのクロ-ニングに成功した。そのcDNA構造解析の結果、IL-2Rβの全一次構造が明らかとなった。ヒトIL-2Rβは551個のアミノ酸より成り、そのうち細胞質内ドメインは286個のアミノ酸より成ることが判明した。このドメインには概知の増殖因子受容体の多くが保持するチロシンキナ-ゼドメインは存在しなかった。IL-2RβがIL-2による細胞増殖シグナルの伝達を行うか否かを調べるため、ヒトIL-2Rβ.cDNAを培養マウス細胞株BAF/DO3に導入して発現させた。この細胞はIL-3依存性の細胞でありLL-2には応答出来ないが、cDNAを発現したトランスフォ-ム株においてはIL-2にも反応し、増殖することが判明した。一連の実験はIL-2Rβが実際にIL-2による増殖シグナルを細胞内に伝達することを明らかにしたものと考えられる。 我々はすでに抗ウィルス活性、MHCクラスI分子の誘導などの働きが知られるインタ-フェロンβ(IFN-β)の遺伝子発現を制御する因子IRF-1を同定した。本年度はIRF-1に構造上類似性を示す転写因子IRF-2の存在を明らかにした。IRF-2は特にDNA結合ドメインにおいてIRF-1と強い相同性を示し、実際両因子はIFN遺伝子上の同一DNA配列を認識することが明らかとなった。更に一連の遺伝子導入・発現実験によってIRF-1が転写活性化因子として機能するのに対し、IRF-2は転写抑制因子、レプレッサ-として機能しうることが示された。これらの事実は転写のオンオフの機構解明において重要な情報を提示していると思われる。
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