研究課題/領域番号 |
01614529
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
山口 一成 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (20128325)
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研究分担者 |
石井 俊徳 熊本大学, 医療技術短大, 助教授 (30093983)
清川 哲志 熊本大学, 医学部, 助手 (50195400)
麻生 範雄 熊本大学, 医学部, 助手 (50175171)
服部 俊夫 熊本大学, 医学部, 講師 (30172935)
高月 清 熊本大学, 医学部, 教授 (80026830)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
1989年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
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キーワード | HTLV-I / ATL / HAM / 可溶性IL-2レセプタ- / DCF / Photopheresis / IL-2トキシン |
研究概要 |
1)HTLV-I感染症の病態は血清中の可溶性IL-2receptors(SIL-2R)を測定することでより明らかとなった。即ちHTLV-IキャリアでもすでにSIL-2R値は上昇し、HAM、くすぶり型ATL、慢性型ATL、リンバ腫型ATL、急性型ATLの順に次第に増加し、HTLV-I感染からATL発症への自然史とよく相関していることを示している。 2)これまで報告のないATLの夫婦発症例をレポ-トした。 3)献血者のスクリ-ニングによりHTLV-Iの輸血による感染が防止できることを証明した。 4)P40tax抗体陽性の母親で、母子感染の確率が高くなることが明らかとなった。 5)ATLの治療の新しい試みは、3つのプロジェクトを軸に展開されている。第一にADA(adenosine deaminase)阻害剤deoxycoformycin(DCF)による治療で、現在全国規模のPhnaseII臨床治験が進行しており、今年12月には一定の結論がでる予定であり、その結果が期待される。第二は体外循環光化学療法(photo-pheresis)といわれるもので、われわれのpilot study(submit中)にひきつづき、これも現在全国規模での臨床治験が進行中である。第三はIL-2トキシン療法である。In vitroでの効果はわれわれによりすでに証明された。患者への投与のpilot studyを準備中である。 6)HTLV-Iは日本に最も集積し、カリブ海諸国、アフリカにも存在することが知られている。その他の地域でもATLの散発例が報告されているが、HTLV-Iの世界的な分布マップはまだ完成していない。今回メキシコ、ユカタン半島のHTLV-I抗体を検討する機会を得た。一般健康人および献血者で0.33%、病院患者0.9%、売春婦3.57%が陽性であった。この調査でメキシコにおける最初のATLを発見した。
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