研究課題/領域番号 |
01614530
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
園田 俊郎 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (40036463)
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研究分担者 |
屋敷 伸治 鹿児島大学, 医学部, 助手 (40182315)
川上 清 鹿児島大学, 医学部附属病院, 講師 (50152921)
沖 利貴 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (30107867)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1989年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | HTLV-I母子感染 / 母乳伝播 / HTLV-Iプロウイルス陽性抗体陰性児 / PCR陽性抗体陰性児 / HTLV-I潜伏感染 |
研究概要 |
HTLV-Iキャリア家系におけるHTLV-Iの母子感染の実体を明らかにするためにHTLV-Iプロウイルスの保有状況をpolymerase chain reaction(PCR)とリンパ球培養によるウイルス分離をもとに評価した。HTLV-Iキャリア母親より出生し母乳哺育で成長した児のなかでHTLV-I抗体陰性児のPCR陽性率は53%(9/17例)であり、HTLV-Iウイルス分離率は70%(7/10例)であった。一方、母乳哺育の抗体陽性児は25%であったがPCR陽性率は88%(7/8例)であった。これらのHTLV-I抗体陽性、陰性母乳哺育児でのPCR陽性率とウイルス分離率を合算すると、約65%(25%+75%×053)の児がPCRまたプロウイルス陽性であることが判明した。この成績は一条ら(1988)が沖縄地方のHTLV-Iキャリア母親の児について報告した成績とほぼ合致するものであった。今回の成績はpX領域のプライマ-によるPCR、反応回数25回で行った結果であったが、検出感度は1ng DNA(0.01コピ-HTLV-I/cell)であり、本研究でのPCR陽性率(65%)は、実体より低めに見積もられていると思われる。また、今回の検体は6ヶ月以上の母乳哺育児を対象としたので、短期母乳摂取児でのPCR陽性率の検討が課題として残された。 以上の結果より、HTLV-Iキャリア母親から出生し、母乳哺育された児ではHTLV-I抗体の有無にかかわらず、約70%の児がHTLV-Iに感染しキャリアとなっている可能性が示唆された。
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