研究課題/領域番号 |
01614531
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
菊地 浩吉 札幌医科大学, 医学部, 教授 (00045345)
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研究分担者 |
岩木 宏之 札幌医科大学, 医学部, 助手 (60203353)
今村 正克 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (30045398)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
1989年度: 12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
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キーワード | キラ-T細胞クロ-ン / ヒト自家癌破壊機構 / 標的腫瘍抗原 / T細胞抗原レセプタ- / 単クロ-ン抗体 |
研究概要 |
NK細胞、LAK細胞による癌細胞破壊の存在は明らかにされているが、自己のキラ-T細胞が自己の癌細胞を免疫学的特異性をもって破壊する現象と抗原は未だ確認されていない。癌の免疫療法は、特異的な免疫反応に基づかなければ、いかなる手段も一時的に終り永続性のない危険性がある。 今年度も、ヒト自家癌より癌細胞とキラ-T細胞クロ-ンの確立を引き続き行った。その結果、胃癌印環細胞癌より2つのペアが得られ、また大腸癌、卵巣癌より各々1つのペアが得られた。つまり、これらを含めて現在迄のところ7つのキラ-T細胞と標的自家癌細胞株が得られたが、そのうち実に5つペアで、明らかな自家癌特異的細胞障害活性を示した。このことは、ヒトの様々な癌で、宿主T細胞の自家癌特異的な抵抗性が成立していることを直接証明していると思われる。 3A2単クロ-ン抗体より同定される抗原は乳癌細胞におけるキラ-T細胞の標的抗原と考えられ、分子量92kdの表面抗原分子である。本抗原は原発自家腫瘍細胞にも発現が確認された。一方でキラ-T細胞との細胞接着のリガンドとして本抗原が働いている可能性も考えられたのでこの点につき解析した。しかし、(1)本抗原の組織分布はICAM-1等のそれとは一致せず、(2)本抗原はIL-1,IFNγ,TNFなどでもその発現増強は示されなかった。の理由より、少なくともICAM-1と3A2抗原の関係は否定された。LFA-3等も含め既知のリガンドとのホモロジ-は認められなかった。また、3A2単クロ-ン抗体は、少なくとも乳癌に限定すれば乳癌組織と正常乳腺をあざやかに区別し、前者に抗原の明らかな発現をみた。従って、乳癌の血清診断に使用できる可能性が示唆される。他のキラ-T細胞と自家癌のペアにおける標的抗原ま解析では胃癌の系でその候補に対する単クロ-ン抗体が11種類作製され、検索中である。
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