研究課題/領域番号 |
01614533
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
山本 慧 慶応義塾大学, 医学部, 助教授 (50138129)
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研究分担者 |
西川 喜代孝 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (40218128)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1989年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 発癌プロモ-ション / 非TPA型プロモ-タ- / 7-bromomethylbenz(a)anthracene / リポキシゲナ-ゼ阻害薬 / ス-パ-オキサイドジスムタ-ゼ / PGE_2 / 活性酸素 / Cキナ-ゼ |
研究概要 |
TPAによる発癌プロモ-ション並びに非TPA型プロモ-タ-である7-bromomethyldenz(a)anthracene(BrMBA)によるプロモ-ションのいずれもがリポキシゲナ-ゼ阻害薬により強く抑制されたことから、どちらのプロモ-タ-によるプロモ-ションの過程にもリポキシゲナ-ゼ阻害薬に感受性の過程がある事が示された。今後更にリポキシゲナ-ゼ阻害薬の抗プロモ-ション薬としての可能性を他の作用機序の異なるプロモ-タ-に関しても検討する必要があると思われる。一方、ス-パ-オキサイドジスムタ-ゼ(SOD)様作用を有するフタル酸モノブチル銅はTPAによるプロモ-ション並びにそれに関連した反応を抑制したが、BrMBAによるプロモ-ションは抑制せず更にBrMBAにはO^-_2生成促進作用も見られなかったことからTPAによる発癌プロモ-ションとは異なりBrMBAによる発癌プロモ-ションにはO^-_2は本質的な関与をしていない事が示された。また他の非TPA型プロモ-タ-のokadaic acid,palytoxin,anthralin,chrysarobinにもO^-_2生成作用は認められず白血球におけるO^-_2生成促進作用はTPA型プロモ-タ-に比較的特異的な作用と考えられた。 皮膚発癌プロモ-ションのtargetである表皮細胞におけるPGE_2遊離はTPA型プロモ-タ-では強く促進され、それにはCキナ-ゼ、PLA_2活性化とシクロオキシゲナ-ゼ活性の誘導などが関与していることが示唆された。またTPAによるPGE_2遊離促進作用は少なくともその一部は蛋白合成を介することが示された。一方、非TPA型プロモ-タ-に関しては表皮細胞のみでなくマクロファ-ジにおいてもPGE_2生成促進を示さない例もあり、PGE_2生成促進作用はプロモ-タ-に共通の性質とはいえないことが示された。またTPAによるPGE_2遊離がanthralinにより顕著に促進されたが、そのメカニズムとしては、一つはTPAとanthralin共存下で認められた著明なアラキドン酸遊離促進であり、今一つはTPA並びにanthralin単独で見られたシクロオキシゲナ-ゼ活性の増加(おそらく誘導作用)によることが示された。
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