研究課題/領域番号 |
01617002
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小澤 高将 名古屋大学, 医学部, 教授 (80022771)
|
研究分担者 |
小池 正彦 長崎大学, 医学部, 教授 (10039521)
松原 央 大阪大学, 理学部, 教授 (00028242)
多田 啓也 東北大学, 医学部, 教授 (20046907)
佐藤 猛 順天堂大学, 医学部, 助教授 (40018594)
折井 豊 京都大学, 医学部, 助教授 (60028149)
|
研究期間 (年度) |
1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
37,000千円 (直接経費: 37,000千円)
1989年度: 37,000千円 (直接経費: 37,000千円)
|
キーワード | ミトコンドリアDNA / 遺伝子欠失 / チトクロムc_1遺伝子 / ピルビン酸脱水酵素遺伝子 / レーバー氏病 / 特発性心筋症 / チトクロムc酸化酵素 / 労作性ミオグロビン尿症 |
研究概要 |
小澤らはミトコンドリア(mt)DNA多重欠失を発見し、欠失発生への直接繰返し配列の関与を示した。また核DNAの協調的発現に係わる塩基配列を解明した。折井は、チトクロム酸化酵素の反応中間体であるperoxy型とferryl型を灌流肝臓で検出し反応機構の普遍性を確認した。佐藤は23例の例のmtミオパチーと11例の他疾患の生検筋のmtのサザンブロット解析を行い、10例のmtミオパチーにmtDNAの欠失を認めた。5例の筋についてin situ hybridizationを行い、欠失mtDNAの分布を明らかにした。多田は、mt脳筋症47例のサザン法により検討し、mtDNAのdeletionを5例に認めた。1例は眼筋ミオパチーであったが、他の4例は、臨床的に眼筋麻痺やRRFを認めず、欠失mtDNAの割合が低い点が特異であった。松原はユーグレナ・チトクロムc_1のcDNAの塩基配列を決定した。システィン39が唯一のヘム結合残基であること、ヘム鉄の配位子がヒスチジン44とメチオニン164とであることを明らかにした。小池は、ピルビン酸脱水素酵素(PDH)α、β遺伝子の単離と全構造解析を行い、両遺伝子の発現機序を解明し、ATP産生応答における本酵素の役割を明らかにした。埜中は、mtミオパチーにおけるチトクロムc酸化酵素欠損は1本の筋線維内にも節状に分布するものと、分節が不明瞭なものの二群があることを明らかにした。宝来はヒトmtDNAのDループ領域の塩基配列を3大人種よりなる95人について決定し、系統樹を作成した。戸嶋はヒト心筋症心筋生検組織について電子伝達系酵素複合体に対する抗体を用いた免疫組織化学研究を行い、染色性低下を肥大型、拡張型心筋症の一部において証明した。宮武はLeber氏病においてmtDNAに点塩基変異の存在することを日本人において初めて見出した。佐橋はまた再発性ミオグロビン尿兄弟症例においてmtDNAの多重欠失を証明した。本研究によりmt遺伝子の発現機構およびその異常の広範な疾患への関与が明確にされた。
|