研究課題/領域番号 |
01617003
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
向畑 恭男 名古屋大学, 理学部, 教授 (10028110)
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研究分担者 |
土屋 友房 岡山大学, 薬学部, 教授 (80012673)
今栄 康雄 名古屋大学, 理学部, 助教授 (70022712)
前島 正義 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (80181577)
山中 健生 東京工業大学, 理学部, 教授 (40028113)
吉田 賢右 東京工業大学, 理学部, 教授 (90049073)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
41,100千円 (直接経費: 41,100千円)
1989年度: 41,100千円 (直接経費: 41,100千円)
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キーワード | ハロバクテリア / スルホロブス / 鉄酸化細菌 / 液胞 / アーキロドプシン / H^+ ATPアーゼ / H^+ PPiアーゼ / チトクロム酸化酵素 |
研究概要 |
この研究では、異常な環境に生息する微生物が工夫/改変して持つ独特のエネルギー転換系の構造と作動機作を解明することと、これを通して常環境の生物のエネルギー転換系についての理解を深めることを目的とした。 本年度研究結果抜粋:高度好塩性細菌ハロバクテリアの新種からバクテリオロドプシン(bR)とも、前年度に発見のアーキロドプシン(aR)とも異なる光駆動H^+ポンプを同定し、アーキロドプシンー2と命名した。この新レチナールタンパク質の遺伝子をクローン化して、DNA塩基/アミノ酸配列を決めたところ、bRとの相同性は60%弱、aRとは90%弱であり、3者で特にH^+の通路を形成するC、F、Gの3本のヘリックスのアミノ酸の保存度が高かった。これらの結果からポンプタンパク質の必須立体構造についての多くの重要な示唆を得た。さらにATPアーゼ遺伝子をクローン化して、主2サブユニットのDNA塩基/アミノ酸配列を決定した。この配列は前年度に決定した好酸好熱性古細菌スルホロブスとメタン産生古細菌のATPアーゼ、および液胞のV型ATPアーゼのいずれのアミノ酸配列とも相同性が高く、ミトコンドリアのF型ATPアーゼのそれとは低くて、初年度に免疫交差反応で得た新知見が確証された。スルホロブスATPアーゼでは同一オペロン内の全遺伝子のDNA塩基/アミノ酸配列を決定し、ホロ酵素が、少なくとも膜内に1種、膜上に5種のサブユニットを持つと推定した。好酸性鉄酸化細菌から、前年度に同定したpH3を至適とするCyt552と対となる酸化酵素を精製して酵素化学的性質を精査し、この酵素が従来の予測とは逆のペリプラズマ側で機能していると推定した。植物液胞膜からH^+輸送性で73kDaのピロフォスファターゼを初めて単離精製した。この酵素は分子量、抗原性等で従来知られたものと異なることを見出した。これらの結果は極めて斬新なものである。
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