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アルギニノコハク酸リア-ゼからδ-クノスタリンへの分子進化

研究課題

研究課題/領域番号 01618514
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関熊本大学

研究代表者

森 正敬  熊本大学, 医学部, 教授 (40009650)

研究分担者 西依 淳  熊本大学, 医学部, 助手 (30218226)
研究期間 (年度) 1989
研究課題ステータス 完了 (1989年度)
配分額 *注記
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1989年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
キーワードアルギニノコハク酸リア-ゼ / δ1-クリスタリン / δ2-クリスタリン / 酵素サイクル / アルギニン合成 / 分子進化 / アミノ酸配列の比較 / 遺伝子構造の比較
研究概要

アルギニノコハク酸リア-ゼは細菌や酵母などではアルギニン合成系の最終段階を触媒する酵素として働いている。一方、哺乳類などの尿素排泄型動物では本酵素を含むアルギニン合成系にアルギナ-ゼが加わってサイクルを形成し、これらの酵素が生物進化の過程で肝臓に大量に発現する情報を獲得して尿素サイクルを形成し、有毒なアンモニアの解毒を行っている。ところが最近、鳥類やは虫類の主要なレンズタンパク質であるδクリスタリンとアルギニノコハク酸リア-ゼの構造を比較すると、両者は著しい相同性を示し、共通の祖先遺伝子から進化したことが明らかとなった。これは、酵素遺伝子が進化の比較的短い過程で、機能の全く異なるレンズの構造蛋白質に進化したことを示している。ラットのアルギニノコハク酸遺伝子を詳細に解析し以下の結果を得た。
1.本遺伝子は約14KDで16個のエクソンより構成されていた。本遺伝子の構成はδクリスタリン遺伝子の遺伝子ときわめてよく似ていた。クリスタリン遺伝子は17個のエクソンよりなり、アルギニノコハク酸リア-ゼ遺伝子では最初のイントロンが欠けた形になっているが、他の15個のイントロンは両遺伝子の全く対応する部分を分断していた。δクリスタリン遺伝子にはδ1遺伝子と、そのすぐ近くにδ2遺伝子が存在するが、δ2遺伝子の機能は不明であった。アミノ酸レベルの構造比較ではリア-ゼとδ1が64%、リア-ゼとδ2が69%でδ2との相同性が大であった。
2.δ2遺伝子の産物はリア-ゼそのものではないかと考え、δ1とδ2遺伝子を培養細胞に導入して産物のリア-ゼ活性を測定したところ、δ2遺伝子産物にのみリア-ゼ活性が検出された。したがって、δ2遺伝子はトリのアルギニノコハク酸リア-ゼであり、アルギニン合成に働いていると考えられる。

報告書

(1件)
  • 1989 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Matsubasa,Tadashi: "Structure of the rat argininosuccinate lyase gene:Close similarity to chicken δ-crystallin genes" Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 86. 592-596 (1989)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] Takiguchi,Masaki: "Evolutionary aspects of urea cycle enzyme genes(Review)" BioEssays. 10. 163-166 (1989)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] Mori,Masataka: "Molecular evolution from argininosuccinate lyase to δ-crystallin" Isozymes. (1990)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] 森正敬: "酵素からレンズタンパク質への分子進化" 現代化学. 219. 60-65 (1989)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] 松葉佐正: "クリスタリンに見られる酵素蛋白質との相同性" 細胞工学. 8. 911-918 (1989)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書

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公開日: 1989-04-01   更新日: 2016-04-21  

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