研究課題/領域番号 |
01619005
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)実験動物中央研究所 |
研究代表者 |
野村 達次 実験動物中央研究所, 所長 (10072399)
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研究分担者 |
早川 純一郎 金沢大学, 医学部・附属動物実験施設, 助教授 (50110622)
光岡 知足 東京大学, 農学部・実験動物学教室, 教授 (30157549)
豊田 裕 東京大学, 医科学研究所・獣医学研究部, 教授 (90050418)
横山 峯介 実験動物中央研究所, 生殖研究室, 室長 (40090930)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
40,000千円 (直接経費: 40,000千円)
1989年度: 40,000千円 (直接経費: 40,000千円)
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キーワード | 生物機能モデル / ヒト疾患モデル / 遺伝モニタリング / 微生物モニタリング / トランスジェニックマウス / 遺伝子導入動物 / 系統保存 / 発生工学技術 |
研究概要 |
1.研究の目的 現代のバイオサイエンスの知識と技術を用いて作成された遺伝子導入動物は、生物機能モデルやヒト疾患モデルとして研究に重要な役割を果たすに至った。 本研究は、このように新しく開発された遺伝子導入動物を、実験動物として使い得るようにするため、系統の維持保存システムを確立し、品質管理と実験条件の一定化のため遺伝的モニタリングおよび微生物モニタリングのシステムを確立することを目的とする。 2.研究の成果 数多く作成されたトランスジェニックマウスにおける導入遺伝子の染色体上の組み込まれた部位をinsitu法によって調べる方法を確立した。その結果、ヒトIL2遺伝子導入マウス4系統はすべて異なる染色体上に導入遺伝子を組み込んでいることが明らかにされた。これらのマウスはすべて運動失調を示すことから、ヒトIL2遺伝子は機能的に働き、新しい自己免疫疾患モデルの可能性を示した。さらに、体外受精、卵巣移植等の発生工学技術を用いて生殖行動をとれないトランスジェニックマウスから、子孫を得ることに成功し、受精卵や胚の凍結によって任意の時期に大量の子孫を得る方法も確立した。これらの技術の完成は、従来の動物実験の方法を一変したものである。次に、自然界には存在しないヒト遺伝子を導入されたマウスにおける導入遺伝子の経世代的安定性を調べた結果、ほとんどの系統でメンデルの法則に従って安定に伝達されることが明らかとなった。いくつかの例外については現在その原因を検討中である。以上の結果、新しい遺伝子導入動物の系統の維持保存方法が確立し、導入遺伝子を指標としたモニタリングシステムも確立した。 今後は、これらの方法を動物実験に応用し、問題を探っていきたい。
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