研究課題/領域番号 |
01623003
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
吉田 充男 自治医科大学, 医学部, 教授 (70048966)
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研究分担者 |
加藤 元博 九州大学, 医学部, 教授 (90038638)
水野 美邦 順天堂大学, 医学部, 教授 (30049043)
高坂 新一 国立精神, 神経センター, 部長 (50112686)
楢林 博太郎 神経科クリニック, 院長 (40052922)
金澤 一郎 筑波大学, 医学部, 助教授 (30110498)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
33,000千円 (直接経費: 33,000千円)
1989年度: 33,000千円 (直接経費: 33,000千円)
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キーワード | 運動系 / 脳 / 遺伝子 / ハンチントン病 / パーキンソン病 / ミトコンドリア / 脳移植 / 遺伝子工学 |
研究概要 |
1)運動系疾患と遺伝子異常:ハンチントン病の遺伝子異常は、第4染色体短腕に存在する事が、G8、C4Hプローブを用いた連鎖解析で明らかとなった。これらは欧米での結集であるが、金澤班員は、同じプローブを用いて、日本での同病での連鎖解析を行ない、欧米と同様の結果を見出し、日本人のハンチントン病と、欧米のそれとの間に、遺伝子異常が類似している事を見出した。 2)パーキンソン病の発症機構:MPTPがヒトでパーキンソン病に酷似した状態を作り出す事が知られている。水野班員らは、MPTPによるドーパミンニューロンの障害機構が、ミトコンドリアの電子伝達系のcomplexIを障害し、ミトコンドリアの呼吸抑制を引き起こし、ATPの産生低下によるenergy crisis仮説を提唱し、広く国際的に認められることとなった。MPTP類似で、自然界に存在するTIQなる物質が、サルでパーキンソン病類似の症状を示すことを吉田班員らが見出した。さらに、LーDOPA治療に反応する点、生化学的にドーパミンおよび関連物質が大脳基底核で低下している事も判明した。 3)遺伝子工学によるパーキンソン病治療の原理:永津・黒沢班員らにより、ヒトチロシン水酸化酵素を作成する遺伝子の4つのmRNAが決定された。高坂班員らは、このcDNAを培養細胞であるc6、線維芽細胞に組込んだ。その結果、大量のLーDOPAを産生することをinvitroの系で確立した。近年、ヒト胎児脳の移植により、パーキンソン病を治療する試みが欧米などで行なわれているが、倫理的に問題が残されていた。この点、高坂班員らの研究は遺伝子工学的方法で乗り越える可能性を示しており、大きな期待が寄せられている。
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