研究課題/領域番号 |
01623507
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
西野 仁雄 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (60073730)
|
研究分担者 |
端谷 毅 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (30172852)
磯部 芳明 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (70094357)
古山 富士弥 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (00080101)
|
研究期間 (年度) |
1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1989年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | パ-キンソン病 / ド-パミン / 移植 / レセプタ- |
研究概要 |
パ-キンソン病モデルラットの尾状核に胎仔ラットからえたド-パミン(DA)細胞を移植すると障害された運動機能が修復される。この成果はすでに臨床にも応用されているが、結果は必ずしも満足のいくものではない。それは、1)移植細胞の選択、2)免疫応答の制御、3)栄養因子、4)移植細胞と宿主神経細胞との相互作用、5)機能修復のメカニズム、6)長期の安全性など基本的な問題点がまだ十分に解明されていないからである。 われわれは、1)パ-キンソン病モデルラットの尾状核にDA細胞を移植すると運動障害は2.5年以上にわたり修復されること、2)移植部にはTH陽性細胞、THmRNA発現細胞が生着し、宿主ニュ-ロンとシナプス連絡をもつこと、3)移植部近傍の細胞外液中にはDAおよびその代謝産物がほぼ正常レベルに回復することを明らかにした。しかしこの1)、2)は尾状核機能に関与するニュ-ロンネットワ-クにおいてはpresynapticの現象である。一方機能修復という点からは、presynapticの現象よりpostisynapticの現象(レセプタ-活性)がより重要である。そこで本年度は、DA細胞の移植前後において尾状核のD_1およびD_2レセプタ-活性をそれぞれのアンタゴニストの結合能より解析した。[結果]1.正常動物の尾状核ではD_1レセプタ-活性はほぼ全域でモザイク状パタ-ンを示し、部位差はなかった。D_2レセプタ-活性は外腹側部で高かった。2.パ-キンソン病モデルラットではD_1D_2レセプタ-活性とも平均130%に上昇した(up regulation)。3.パ-キンソン病モデル動物にDA細胞を移植し、運動障害が修復された動物ではD_1D_2レセプタ-活性はほぼ正常レベルに戻り(down regulation)、部位別活性パタ-ンも正常化した。 以上、DA細胞の移植により運動機能が修復した動物では、尾状核ニュ-ロンのDAレセプタ-活性は正常レベルおよびパタ-ンに修復されることを明らかにした。
|