研究課題/領域番号 |
01623509
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
杉本 哲夫 関西医科大学, 医学部, 教授 (90144352)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1989年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | ド-パミン / ド-パミン受容体 / 側座核 / 腹側被蓋野 / オリゴペプチド法 / チロシン水酸化酵素 / 線条体 / バリコシティ- |
研究概要 |
1.疾患モデルラット大脳のカテコ-ルアミン線維について 疾患モデルラットの探索中、線条体や大脳皮質のチロシン水酸化酵素(TH)免疫活性線維にvaricosityがきわめて少ないラットをみいだした。当該ラットはkohnら(1981年)によりHTXと名付れられ、線条体・大脳皮質ニュ-ロン構築の低形滑・顕著な脳室拡大を呈し、非発症ラットに比して運動機能異常が著しい。中脳腹側部と前帯状皮質におけるTH線維の形態変化を系統的に検索した。生後12日齢のHTXでは、varicosityが比較的保存されていたが、14日齢以降のHTXではいずれもTH線維は狭小化し、屈曲蛇行を示し、表面が平滑であった。この形態変化に関しては、雄雌のHTXともに、脳室拡大のグレ-ドにかかわらず出現すること、HTXの非発症群にもみられること、大脳白質の浮腫・空隙などの傷害に起因するものではないこと、を明らかにした。以上より、この形態変化は、発達の段階的経過を踏まえて形成される、HTXにきわめて特徴的な変化であると結論した。 2.ド-パミン受容ニュ-ロンの検出 ド-パミン線維を受容する大脳ニュ-ロンをモニタ-するため、ラットD2ド-パミン受容体に対する抵抗(P3抗体)をオリゴペプチド法によって作製した。SDラットとHTXの固定脳切片をABC法で免疫染色し、P3陽性産物を側座核と腹側被蓋野において同定した。両ラットにおいて側座核のP3陽性産物は、主要(中型ないし大型)ニュ-ロンの主として細胞体膜面と樹状突起に局在した。側座核のニュ-ロピルにおいては、顆粒状の反応産物が細い神経線維にも出現した。腹側被蓋野では少数の主要ニュ-ロンが標識された。SDラットに比しHTXのP3陽性産物は全般的に凝集して神経組織に局在した。免疫吸収試験の結果、P3陽性産物は減弱ないし消失した。
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