研究課題/領域番号 |
01625019
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 拓殖大学 |
研究代表者 |
飯森 嘉助 拓殖大学, 政経学部, 教授 (20109747)
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研究分担者 |
守屋 毅 国立民族学博物館, 教授 (00036493)
田仲 一成 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (90039967)
奴田原 睦明 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (80014504)
堀内 勝 中部大学, 国際関係学部, 教授 (50165586)
片倉 もとこ 国立民族博物館, 第2研究部, 教授 (60055308)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1989年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | イード / モロッコの聖者祭(ムウスイム) / 中東の古代都市 / イスラム都市の空間売象 / 道教的仮面演劇とイスラムの影 / イスラムの二大祭 / アラブ・ムスリムの祝い事比較 / 都市と祭り |
研究概要 |
昨年度と同様にJ班(生活文化と都市性)は主としてI班(都市のイメージ)との合同研究会をすすめたが、この他にE班とR班とも研究会をもった。“生活文化"の領域においては「都市と祭り」を中心テーマにして広域比較を試みたが必ずしも満足すべき成果が得られたわけではなく多くの問題点を先送りにせざるをえなかった。しかし今後は次の諸点に留意して行きたいと考えている。 1)中東における都市は古代都市のヘレニズム化、アラブ、イスラム化近代ヨーロッパ化……などの変容を受けて来たが、この変容は都市建設における一部理念の変更によるものであり、それはまた“時代の"の市民の伝統と生活信条そのものの投影の結果でもあるはずだからこの点をもう少し通時的通場的に掘り下げていく必要がある。 2)「都市の祭祀」の問題点を通じて都市と公権力との強い結びつきについては改めてこれを確認したが、特に中東の中小都市の場合には血縁的集団の堅い結束を誇る市民は敢てそのコンパクト性を尊ぶがゆえに村(カルヤ)的存在をとるか、または都市(アディーナ)の持つ権力集中指向をとるかといった内側からの選択の問題があるのではないか。 3)都市のグランドデザインの違いをカート(Cart)文化(牛車にせよ、馬車のせよ、また現代では自動車)との関係で単純に還元して考察できないか。 4)都市の祭祀は最も包括的に人々を巻き込む効果的なショーの場であるとしても神人観の違いや公権力との結びつきの所で民族や地域によってかなり様相を異にする。今日の日本の都市の祭などは半ば観光化し、外見はともかく中身は風化している観があり(祭りの風化は近代化か)少くとも日本人の祭り感覚や祭りの定義だけで世界の祭りや中東のイードを計ることには問題がある。
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