研究課題/領域番号 |
01626005
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
竹田 契一 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (30116165)
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研究分担者 |
花熊 暁 愛媛大学, 教育学部, 助教授 (60172946)
大井 学 金沢大学, 教育学部, 助教授 (70116911)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | インリアル(INREAL) / コミュニケーション / 伝達行動 / 非伝達行動 / 意図的伝達 / 意図的反応 / 大人の関わり方 / フォーマット |
研究概要 |
研究1 身振りや非言語音声による要求伝達に対する大人のことばまたは身振り表現が子どもの行動に及ぼす影響;表題について2名の乳児について8カ月からそれぞれ5カ月、7カ月観察した。2名の行動変化には時間的なずれがあったが、その過程は似ていた。意図的伝達が始まった頃は意図の実行過程に注目して表現に気づかないか、もしくは表現にのみ注目する。次に実行過程に注目しつつ表現にも注目するようになり、最後には実行を保留にして表現を模倣するようにいたった。身振りとことばでは変化の出現時期にずれがあった。意図伝達に対する大人の表現を注目することが、慣習的な表現学習に影響すると考えられた。 研究2 インリアル指導の効果についての検討;昨年度に引き続き、大人のどのようなかかわりが子どもとの相互作用の生起につながるのかを8名の子どもとそれにかかわる母親とSTの比較で検討してきた。コミュニケーションの成立を意図するSTと問題は感じているもののそれほど意図していない母親では、子どもの伝達行動に対する反応や大人からの働きかけ(開始)に違いが見られ、このような大人の違いがコミュニケーションの成立の一つの要因になっていることがわかった。今年度は、特に(1)子どもの非伝達行動への反応(意図的反応)の意義と(2)フォーマットの形成について検討した。その結果、子どもの非伝達的行動に対し、大人がまねる、意図あるものとして応じるなど意図的反応を返すことで、子どもは自分の行動に随伴する大人の行動に気づきはじめて、関わり手を意識して積極的にその行動を使いはじめた(フォーマットの形成)。これら人と自分との関係や、その関係を生じさせる手段についてまず子ども自身に気づかせていくことが、コミュニケーションの成立の土台であり、かかわる側がその役割を担っていることが明らかになった。また、大人がその役割について意図してかかわることがコミュニケーションの活性化につながるものと考えられた。
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