研究課題/領域番号 |
01627510
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
林 久治 理化学研究所, 理論有機化学研究室, 主任研究員 (50087508)
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研究分担者 |
阿部 晴雄 理化学研究所, 理論有機化学研究室, 研究員 (80142917)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1989年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | OHラジカル / 磁場 / 蛍光 / 励起スペクトル / 色素レ-ザ- / 回転遷移 / 化学発光 / 発光寿命 |
研究概要 |
OHラジカルを磁場中または磁場外で生成し、磁場中でX^2II_i(V'=O)→A^2Σ^+(V=O)遷移の各回転線に対応する蛍光励起スペクトルに対する磁場効果を測定した。測定装置は昨年度製作した交差原子・分子線磁場効果測定装置を用いた。この装置を用い、酸素(分速14cc)と水素(分速14cc)の混合気体を磁場外でマイクロ波放電してOHのX^2II状態を生成した。この気体を磁場中に導入し(チェンバ-内の圧力は0.63Torr)、色素レ-ザ-の2倍波(エタロン使用、エネルギ-分解能は0.1cm^<-1>)を用いてX^2II_i(V'=O)→A^2Σ^+(V=O)遷移の各回転線を励起した際の、A→X遷移の全発光強度を測定した。多くの回転遷移について、励起スペクトル磁場効果のみならず、励起レ-ザ-の偏光変化、発光寿命、および化学発光の測定も行い、以下の結果を得た。 1)すべての回転遷移の励起スペクトル強度は磁場強度の増大とともに増加するが、磁場変化量は下の準位や上の準位には依存せず、回転遷移により異なる。12kGの磁場により、R_2およびP_1遷移の強度はゼロ磁場より20-30%増加するが、他の遷移では増加量は10%以下である。2)化学発光強度は磁場により変化しない。3)発光寿命も磁場変化をしめさない。(0.63Torrで168±4ns)4)OHを磁場外(予混合型)で生成しても、磁場中(交差型)で生成しても同様な磁場効果が得られる。5)測定圧力を0.319Torrに減少すると磁場変化量は増大する。しかし、この圧力においても発光寿命に磁場効果はない。6)前期解離が起こるA^2Σ^+(V=2)へ励起して同様な磁場効果の測定を行ったが、顕著な磁場効果は見られなかった。 従って、この磁場効果は本質的なものではなく、飽和現象による見かけ上の変化と考えられる。
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