研究課題/領域番号 |
01628504
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
増田 茂 東京大学, 教養学部, 助手 (50173745)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1989年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ペニングイオン電子分光 / 有機超薄膜 / 電荷移動反応 |
研究概要 |
超高真空下で制御された結晶基板上に2種の有機分子を交互に蒸着して、高度な立体選択性をもつ固相反応をおこなわせることを目的として以下の実験的研究をおこなった。 1.グラファイト 本研究ではグラファイトを基板として用いるので、まずこの表面のキャラクタリゼ-ションをおこなった。実験(ペニングイオン化電子スペクトルの測定)は昨年度に終えたが、本年度は解析後、論文にまとめた。 2.グラファイト上におけるTFT'CNQ陰イオンの生成 -150℃に冷却したグラファイト基板にTFTCNQ分子を蒸着すると、単分子層覆れた状態では、TFTCNQの約40〜45%が陰イオンを形成していることがわかった。また単分子膜の加熱によるスペクトルの変化からTFTCNQの結合状態に関する知見が得られた。 3.TMTSF-TFTCNQ錯体の生成 グラファイト基板上にTFTCNQとTMTSFを交互に単分子層づつ蒸着して、固相反応の動的過程を追跡した。蒸着の順序に依らず、sandwich膜(例えば、グラファイト-TFTCNQ-TMTSF)を形成することがわかった。また、2で述べたTFTCNQ陰イオンのスペクトルを参照することによってTMTSFとTFTCNQの間で電荷移動反応が起っていることが明らかになった。錯体を昇華して基板上に単結晶を作成するという方法は以前にも何例かあるが、本研究のように、各成分を単分子層づつ制御しながら錯体を作成するという例はない。さらに、電荷移動反応は互いに接する層でのみ起こり、2層以上離れると起らないことがわかった。これは、電荷移動という現象が波動関数の重なり基づくような短距離相互作用によることから当然の結果とも考えられるが、実験事実として確認されたことは特に興味深い。
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