研究課題/領域番号 |
01628507
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
海津 洋行 東京工業大学, 理学部, 教授 (20016140)
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研究分担者 |
小林 宏 北里大学, 衛生学部, 教授 (10016032)
浅野 素子 東京工業大学, 理学部, 特別研究員 (80201888)
大野 修 東京工業大学, 理学部, 助手 (30185342)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1989年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 酸相内錯体間エネルギ-移動 / 光励起状態からの緩和過程 / 陽イオン効果 |
研究概要 |
固相中での金属錯体間の励起エネルギ-移動を明らかにするため、[Cr(ox)_3]^3錯体(ox-シュウ酸イオン)の結晶、[Al-(ox)_3]^3錯体にド-プした結晶および粉末について、発光スペクトル、発光寿命を測定した。その結果、第二配位圏に存在する水分子が緩和過程に大きな影響を及ぼすこと、および錯体間でエネルギ-移動が起こっていることが明らかになった。 Li_3[Cr(ox)_3]・6H_2Oの結晶について、この結晶をシリカゲル上に保存することによって、結晶水の一部を脱水すると発光スペクトルの位置は変わらないが、発光強度は著しく弱くなり、最終的には発光はほとんど観測されなくなる。一方、K塩は結晶中では発光が観測されないが、K_3[Al-(ox)_3]にド-プすると発光が観測できるようになり、結晶水を脱水すると発光位置は変化しないが、発光強度が著しく増大する。このことは第二配位圏にある水分子が光励起状態からの緩和過程に大きく影響を及ぼしていることを示している。結晶水の脱水によるCr^<3+>イオンの^2E状態からの緩和過程が、陽イオンによって変わることは、緩和過程に影響を及ぼす水分子が異なる状態にあると考えられる。Na_3[Cr(ox)_3]およびアネミニウム錯体にド-プした単結晶は、発光位置は変化しないが、発光寿命は4μsから20μsへと長くなる。このことCr・・Crの相互作用があることを示している。[Cr(en)_3]・[Cr(ox)_3](enエチレンジアミン)では、[Cr(en)_3]^<3+>錯体を励起すると、[Cr(ox)_3]^<3->から発光し、光励起:エネルギ-が錯体間で移動していることが分かった。
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