研究課題/領域番号 |
01628513
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
宮田 幹二 岐阜大学, 工学部, 助教授 (90029322)
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研究分担者 |
三木 邦夫 大阪大学, 工学部, 助手 (10116105)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1989年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 包接化合物 / コ-ル酸 / 結晶構造解析 / インタ-カレ-ション / ゲスト応答的 / 情報発現 / 単結晶変換 / 層状集合体 |
研究概要 |
胆汁酸ステロイドの一つであるコ-ル酸が種々の有機物と包接化合物を形成し、ゲストによってはチャンネル型構造をもち、高度な光学分割も行い得ることを既に公表している。本年度は、この研究をさらに進めて、コ-ル酸包接体のゲスト応答的構造を見い出すとともに、分子集団による小さな分子の情報発現という新しい概念を提唱するに至った。以下に本年度の研究実績を具体的に述べる。 1.ゲストを含まないコ-ル酸の結晶がアセトンからの再結晶により得られた。この結晶のX線構造解析を行い、既知のエタノ-ル、水、アセトフェノンとコ-ル酸との包接結晶の構造と比較することができた。その結果、どの構造も基本的には二重層状構造をもつことがわかった。層間の結合はゲストにより異なり、アセトフェノンの場合はvan der Waals力や疎水結合が主であるが、エタノ-ルやゲストを含まぬ場合はステロイド側鎖のカルボキシル基が水素結合により層同士をつないでいる。 2.ゲストを含まぬ結晶をアセトフェノンの液に浸しておくと、この結晶がこわれないまま、つまり単結晶状態を維持したままで、アセトフェノンとの包接体に変化することが赤外スペクトルやX線構造解析により明らかになった。このように分子集合状態を維持したまま、ゲスト応答的にホスト集団の結合状態が変化する例は非常に珍しいと思われる。この構造変換においては、ステロイド側鎖のカルボキシル基が重要な役割を果している。真に有機結晶のインタ-カレ-ションと考えられる。 3.このようなホスト分子集団のゲスト応答的構造変化は、タンパク質のような生体高分子の構造変化を想起させる。ゲストや環境に応答する三次元的・動的構造変化が生体高分子の情報発現の根源であるので、上記ホスト分子集団は概念的には非常に生体高分子の情報発現の機構と類似性を示すと言える。小分子は集団として初めて情報を発現する。
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