研究課題/領域番号 |
01629001
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
戸塚 洋二 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (40011712)
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研究分担者 |
長島 順清 大阪大学, 理学部, 教授 (90044768)
須田 英博 神戸大学, 理学部, 教授 (30011555)
鈴木 厚人 高エネルギー物理学研究所, 助教授 (00100818)
鈴木 洋一郎 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (70144425)
中村 健蔵 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (10011735)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
110,000千円 (直接経費: 110,000千円)
1989年度: 110,000千円 (直接経費: 110,000千円)
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キーワード | 太陽ニュートリノ / 太陽活動 / 大気ニュートリノ / 電子ニュートリノ / ミューニュートリノ / ニュートリノ振動 / 暗黒物質 |
研究概要 |
昭和62年より観測を始めた太陽ニュートリノは、最終結果を得た。種々の系統誤差を評価した後、最終的に得た太陽ニュートリノの強度の実験値は理論の約0.46倍であった。この消えた太陽ニュートリノの問題は、なぜ少いのかが完全に理解されれば素粒子物理学または天文学に一大変革をもたらす可能性のある重大問題である。この問題の解決の糸口を求めて、本年度は解析プログラムの改良と、できるかぎり長時間のデータ収集につとめ、デーマの質・量共に前年度までに得られた予備的結果より約2倍程度の改良を得た。この改良されたデータを用いて、アメリカのディビスらの太陽ニュートリノ実験で示唆されている太陽ニュートリノ強度の太陽活動との相関を調べたが、現在までの所特に強い相関は見えていない。 大気ニュートリノの解析を詳細におこなった。このテーマに関してはすでに一度発表しているが、さらにデータを増し、また近年の詳細な理論計算による大気ニュートリノの強度から予想されるイベント数と、実験的に観測されたイベント数を比べた。その結果、大気ニュートリノのうち電子ニュートリノ成分はほぼ予想される頻度で観測されているが、ミューニュートリノ成分は予想の約60%しか来ていないことを再確認した。ニュートリノ振動の可能性が強く、今後も重点的に研究を続ける。 宇宙の暗黒物質の探索は最終的結果を得た。暗黒物質が重い電気的に中性の粒子であると、それらは太陽中に捕獲され、対消滅によって、高エネルギーニュートリノが発生するはずであるが、実験データ中には、有意な信号はなかった。この結果、理論的に考えられる数種の暗黒物質の候補の質量に制限をつけた。この結果は世界にある同様の結果のうち最もきびしい制限をつけるものであり、また最も詳細な検討に基づいている。
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