研究課題/領域番号 |
01629003
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
野崎 光昭 東京大学, 理学部, 助手 (10156193)
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研究分担者 |
山本 明 高エネルギー物理学研究所, 助教授 (30113418)
山上 隆正 宇宙科学研究所, 助手 (40013718)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
1989年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
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キーワード | 宇宙起源反粒子 / ガンマ線点源 / 気球搭載測定器 / 超伝導スペクトロメータ |
研究概要 |
宇宙起源反粒子の探索、点源からのGeVガンマ線の観測等を目的とした気球搭載超伝導スペクトロメータによる宇宙線観測実験を東京大学、高エネルギー物理学研究所、宇宙科学研究所の共同で進めている。 測定器は超伝導ソレノイド、飛跡検出器としてジェットチェンバー及び数層のドリフトチェンバー、TOFカウンターで構成され、すべて円筒形の圧力容器に収められる。 ジェットチェンバーの製作は完了し、FADCを用いた波形記録回路の開発を終え、64チャネル分製作した。位置分解能、検出効率、ドリフト速度等のチェンバーの基本的性能を確かめるため、地上で宇宙線の観測を行なった。 圧力容器は上空での真空、低温の環境から測定器を守り、回収に際しては着地の衝撃を和らげる働きをする。加圧試験、ガス漏れ試験を行ない問題のないことが確かめられた。衝撃緩衝装置について種々の落下試験を行ない紙ハニカムを用いた衝撃吸収装置の仕様を固めた。 データ収集システムはトリガー回路、ADC、TDC、FADC等のチェンバー、カウンターの読みだし回路、及びそれらのインターフェイス回路、温度、圧力等のモニター回路、8mmビデオテープを使ったデータ記録装置、データ、コマンドの送受信回路を製作した。 測定器の試験を兼ねた宇宙線観測のために、超伝導ソレノイドは搭載せず、ジェットチェンバー、トリガーカウンター、及びデータ収集システムを圧力容器に組み込みテストフライトを行なった。測定器は9月15日朝三陸より打ち上げられ、高度31kmまで上昇し、およそ3時間のレベル飛行の後太平洋上で無事回収された。飛行中圧力容器からの漏れはなく、内部の温度も安定しており順調に観測を行なった。 収集したデータは8mmテープに記録され、一部をテレメトリにより地上へ送信した。データは現在解析中である。 回収された検出器は地上で再度動作させたが、ジェットチェンバーを始めすべてのシステムは正常に働いていることが確かめられた。また圧力容器にも損傷は見られなかった。従ってこれらの測定器はそのまま本実験でも使用可能である。
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