研究課題/領域番号 |
01629006
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
佐々木 節 広島大学, 理論物理学研究所, 助教授 (70162386)
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研究分担者 |
吉村 太彦 東北大学, 理学部, 教授 (70108447)
富田 憲二 広島大学, 理論物理学研究所, 教授 (90034610)
小玉 英雄 京都大学, 教養部, 助教授 (40161947)
池内 了 国立天文台, 教授 (90025461)
荒船 次郎 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (80013415)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
600千円 (直接経費: 600千円)
1989年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | ダークマター / 宇宙の大域的構造 / 統一理論 / 銀河形成論 / 重力レンズ |
研究概要 |
本年度は昨年1月末に当研究所で行なった研究会の成果を基に、分担者各自がそれぞれの専門分野で研究を進めた。その結果、主に以下の事が明らかになった。 1.現在、いわゆる冷たいダークマターの最も有力な候補であるアキシオンについて、これまでその密度搖らぎがどの様な成長をするか、に関する定量的に正確な議論がなされていなかった。そこで、アキシオンをきちんと量子論的に取扱い、その搖らぎの成長がダスト的である事を正確に示した。また、原始中性子星からのアキシオンによるエネルギー放出を詳しく調べ、SN1987Aの観測データ等と比較する事によって、アキシオンがもし存在すれば、その質量は、宇宙論的ダークマターの候補にちょうど良い値である可能性が大である事を示した。 2.観測される3Kの背景輻射は非常に等方的であるが、これは、その伝播中に銀河などによる重力レンズ効果によって等方化されたためではないか、という指摘がなされていた。そこで、3K輻射に対する重力レンズ効果を表わす一般式を導出し、一様化の効果が一般には小さく、逆に小角度の搖らぎは大きく増幅される事を示した。 3.ダークマターの様な光学的に透明な物質による重力的非一様性は、観測データの解析の基礎になっている一様等方フリードマン宇宙に於ける距離-赤方偏移関係を大きく狂わしている可能性がある。そこで、非一様宇宙に於ける光の伝播を一般相対論的に詳しく調べ、銀河より大きなスケールでの非一様性については、フリードマン模型が第0近似で正しい事を確かめた。
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