研究課題/領域番号 |
01630004
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
上村 洸 東京大学, 理学部, 教授 (60011475)
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研究分担者 |
山口 豪 静岡大学, 工学部, 助教授 (50013537)
時弘 哲治 東京大学, 工学部, 助手 (10163966)
上田 和夫 筑波大学, 物質工学系, 助教授 (70114395)
阿部 龍蔵 東京大学, 教養学部, 教授 (90012202)
青木 秀夫 東京大学, 理学部, 助教授 (50114351)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1989年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 準結晶 / 電子構造 / 自己相似 / 局在状態 / コンダクタンスゆらぎ / ペンローズ格子 / フィボナッチ格子 / フラクタル |
研究概要 |
本計画研究は、準結晶の電子状態と原子構造に重点を絞り、9つの研究グループが様々な理論的方法により、準結晶の特異性の全貌を明かにすることを目的とした。これにより、以下の様な重要な結果を得た。〔1〕上村のグループは、準結晶に局所的に似ているalphaボロンの研究に着手し、この物質で何故20面体構造が安定なのか、という問題に対する第一原理的な理論を開発した。〔2〕青木は磁場中2次元自己相似系についてホール伝導現象の特異に大きな量子揺らぎの存在を明らかにし、その量子ホール効果との関連を調べた。〔3〕阿部のグループは、ペンローズ格子上のスビン系を考え、その熱力学的性質を高温展開により明かにした。〔4〕上田のグループは、2次元ペンローズ格子の伝導について、サイズ依存性とその揺らぎを系統的に調べた。1次元の準周期系についてはバンドの中心から始まる新しい局在現象を見いだし、相互作用の効果についても調べた。〔5〕合田は、フィボナッチ系に対して、電気抵抗のサンプル平均のもつpower lawや、系の初期位相をずらすことにより現れる新しい構造の詳細を明かにした。〔6〕甲元は、1次元準周期系の或るモデルで電子エネルギー・スペクトルがフラクタルになり、それに対応する波動関数もmultifractal的になることを示し、この解析のために統計力学的手法を導入した。また、一般の準周期系での局在/非局在の問題を検討した。〔7〕時弘のクループは、Al-Mn、Al-Cu-Li準結晶の電子構造を計算し、フェルミ・エネルギー近傍に擬ギャップが開き、構造が安定化していることを示した。〔8〕町田は、準周期性が電子構造に及ぼす効果について、外部磁場や合金化による電子数変化によって非整合性の様子がコントロールできる興味深い系を見いだした。〔9〕山口は、現実の準結晶の原子構造をさらに詳細に調べ、単位胞の頂点に原子を置いたのでは実験を説明できないが、単位胞の面上や内部にも置けば実験を説明できることを示した。また、原子の不等価性を静電ポテンシャルによって解析した。
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