研究課題/領域番号 |
01630006
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
北野 保行 広島大学, 理学部, 助教授 (20033855)
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研究分担者 |
佐々木 祥介 大阪大学, 教養部, 講師 (60029717)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1989年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 準結晶 / Mg(CuAl)_2 / ラーフェス相合金 / フィボナッチ数列 |
研究概要 |
Mg(Cu1ーxA1x)2,x=0.5近傍の組成を持つ合金は、半径の異なる二種類の原子からなる稠密構造で、いわゆるラーフェス相構造と呼ばれる構造である。この合金では、同じインゴットの中に、積層順序の異なったポリタイプが多く見いだされると同時に、不規則な積層順序を持つかなり広い領域も存在することが分かっている。これらの構造は4枚の原子面を組にして1層と考えると、層の積み重なり方の違いで記述出来る。高分解能電子顕微鏡を使って、その積層順序を調べると普通に考えられる不規則構造とはかなり異なっている。数百nm離れた2層の間にかなり強い相関があることが分かった。この構造が準結晶の特徴を持つかどうか、また熱的な平衡相として存在しうるかどうかを検討した。合金の作成はシリコニット炉で行い、X線回折、EPMA、電子回折により調べた。その結果、単一相の存在する条件を見いだすまでには未だいたっていない。また積層構造における準結晶は、順次積層する層の位相関係が、フィボナッチ数列で決められる場合が1つの可能性として考えられる。1と-1とからなるフィボナッチ数列を1597項作り、この数列に対応して位相が変化する積層構造をつくった。この計算機シミュレーションで得た構造では特徴的な二層関の相間を示すが、そのグラフの包絡線に見られる二次元的なきれいな周期的構造は、一次元準結晶の二次元的な表現方法であるのかも知れない。しかし、結論にはいたっていない。また計算で求めた構造因子には、kー空間中に明確な自己相似性が存在するが、構造因子の極大を示すkー空間での位置が何を表しているのかも検討するべきことであることが分かった。これらの性質を上記の合金の構造と比較検討したが、積層構造の準結晶が示す出あろう顕著な性質を示しているとは、現段階では結論し難い。
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