研究課題/領域番号 |
01630501
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
福永 俊晴 名古屋大学, 工学部, 助教授 (60142072)
|
研究分担者 |
鈴木 謙爾 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (10005861)
|
研究期間 (年度) |
1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1989年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | 準結晶 / 原子構造 / 中性子回析 / 構造因子 / 動径分布関数 / 液体急冷 |
研究概要 |
準結晶の研究は、1984年にShechtmanらによって見い出されてから、構造ならびに特性の研究が活発に行なわれてきている。最近に至っては、Al-Cu系やAl-Li系などの合金をさらに多元系にすることにより、非常に良質かつ安定な準結晶が作製されるようになっている。構造の研究においては、電子顕微鏡を使っての研究が主になされており、構造の研究においては、電子顕微鏡を使っての研究が主になされており、構造モデルとの比較により、幾何学的な情報が得られている。ところが、準結晶を構成する原子の種類の位置関係、すなわち化学的な構造の情報はほとんど得られていない。本研究では、中性子回析の特徴を生かし、かつ高分解能の動径分布関数を得ることにより、不足している化学的な構造の情報を得ることを目的とする。 試料のAl_<65>Cu_<20>Fe_<15>ならびにAl_<65>Cu_<20>Cr_<15>準結晶は液体急冷法で作製した。中性子回析実験は高エネルギ-物理学研究所のブ-スタ-利用施設に設置してある全散乱分光器(HIT)を用いて行なった。デ-タの集積ならびに構造因子S(Q)の算出は購入した設備備品であるコンピ-タ(PC-286LS)で行なった。 準結晶試料の構成原子であるFeなら微にCr原子は、それぞれの試料に同量含まれており、しかもほぼ同じ原子半径子を持つので、準結晶の原子配列において同じサイトを占めていると考えられる。この仮定のもとで中性子回析による高分解能観察を行なうと、中性子に対する干渉性核散乱振幅がbFe=0.954×10^<-12>cmならびにbCr=0.3635×10^<-12>cmと大きく異っているので、2種類の準結晶の動径分布関数の差をとることにより、Fe(もしくはCr)原子のまわりのみの原子分布の情報を得ることができる。この様にして得られたFe(もしくはCr)原子のまわりのFe、AlそしてCu原子の占める位置はかなりrigidに決まっていることが明らかになった。
|